年々歳々

　改めてキミョーを見ると、母の白文鳥ケコと父の桜文鳥サカを足して二で割った姿だ。この目つきなど、サカ坊そのものである。
　考えてみれば、ケコもサカもペットショップで購入した荒鳥ながら、ともに手乗り崩れの気配濃厚で、人を怖れない、など、かなり奇妙な文鳥だった。つまり、妙ちくりんな面もしっかり受け継いでいるのだから、彼の存在は実にすがすがしい。
　この妙ちくりんな遺伝子は、キミョーの娘アラシでさらに爆発し、その子たちはそろって「アラシっ子」と呼ばれる落ち着きが無くて面白い子たち、ところがその「アラシっ子」の子は、それぞれさほど奇妙な点がなく（次女ミトの娘サチィ、息子ツイカの息子タロ・ジロ）、ほっとしつつも寂しい気持ちでいたら、ツイカの息子タロの子が、妙ちくりん遺伝子を隔世遺伝した。
　一方、サチィとジロという妙ちくりんの申し子同士から生まれたヒナは、至極まともな子ばかりだから、面白いものだ。
　いつ、妙ちくりん遺伝子が姿を見せるか、今後も油断はできない。