刑務所の配膳係がお似合いだった鈴木宗男さんが、周囲の制止に耳を貸さずに訪露し、おそらくみんなに叱られて蒼白な顔ながら、相変わらずの口八丁でマスコミ相手に帰国後何やら雑音を奏でられていた(記事)。いわく「(戦争を)長引かせたら命がなくなってしまう。(中略)武器をくれ、お金をくれと言っているから長引いている」。
前科者のムネオさんに言われなくても、援助をしなければ戦争は終わっていたのに、と常々残念に思っているので、そのような思想をお持ちでロシアの高官にお会いする機会を得たなら、しっかりお伝えいただきたかった。「あなた方がウクライナ東部の武装集団を援助しなければ、戦争は早期に終わっていたし、そもそも戦争は起きなかった」と。
ついでに、彼の気の毒すぎる脳みそでは、2015年の「ミンスク合意」をロシアが順守しウクライナは守らず背信行為を繰り返したことになっているようだが、その「合意」とやらで停戦すべきは内戦の当事者たちなので、その一方の独立派が順守せずに戦闘行為を続ければ停戦が実現するはずがない。そして、ロシアはあくまでも陰で支援しているだけということになっていたので、順守も何も初めから戦闘行為に参加などしていないことになっていたのを理解できているだろうか?
そもそもウクライナの内戦にロシアやドイツやフランスが口出しすること自体がおかしいわけだが、ドイツのメルケル首相がわざわざ茶番を演じた理由は、ロシアからのガス供給の拡大を目指していた彼女が、ロシアが領土的野心で隣国の分離独立派を支援するのを止めさせて穏便に済ませたいと願ったからに過ぎず、問題は分離独立派を陰で主導するプーチンであることを前提とする会談であり「合意」であった。
もちろん、内乱軍の武装組織は「合意」後も戦闘を止めないので、ウクライナ政府軍も応戦や反撃をすることになるが、それをもってウクライナ政府に合意違反の罪を問うなど、欺瞞でしかないだろう。他国の内戦に、反乱軍を支援しているロシアこそ、最初から最後まで合意の実現を妨げているのだから。
ロシアにくだらぬ論拠を与え、増長を招き、ウクライナ侵攻に至らしめたドイツ首相メルケル氏とフランス大統領サルコジ氏は、ミュンヘン会議でナチスドイツのズテーテン割譲要求を認め、ヒトラーを増長させポーランド侵攻を招き第二次世界大戦に至らしめたイギリス首相チェンバレンに比すべきマヌケな民主主義指導者として、その名を歴史に遺すことになったのは、大変遺憾なことである。独裁者と妥協し領土を生贄にするなど、断じてあってはならないとする歴史的教訓を、さらに肝に銘じなければなるまい。
ともあれ、ムネオさんは愛する「北の大地」に隠棲し、余計なおしゃべりと行動で政治家として前途のある娘さんの邪魔にならないようにすべきだろう。我が家の犬も「ハウス!」と言えば犬小屋に帰った。あなたも「ムネオ、ハウス!!」とみんなに言われている状態だ。疾く、お帰りなさい。
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