フクは目つきは鋭いが、エサ箱に頭からつんのめったりしぐさがかわいらしい。そのあたりは、父のノコリ似だろうか。
それで、日大アメフト部の起こした傷害事件(になるのが必至の状況)だが、とりあえず、大学の部活動中に起きた事件で、学生個人が記者会見をしなければならないとは、呆れ果てた。事実を隠蔽し学生個人の問題として学生を窮地に立たせた日本大学は教育機関に値しないと言わざるを得ない。トカゲの尻尾切りは、組織の末端に責任を負わせてしまうことで、あまり良い意味でつかわれず、一面で卑怯な行為ではあるが、尻尾を断ち切らねば逃げられず食われてしまうのも事実である。今回の事件の場合、日大と言う大きな組織の下部は内田氏などのアメフト部になるが、それを素早く切り捨てられなかったのは、致命的なミスになる。
こうした場合、個人に責任を負わせてそれをトカゲの尻尾切りだと見なす人もいるかと思うが、勘違いである。組織と個人は別物なので、責任を押し付けられる対象ではない。まして、学生は大学にとっては経営の原資を支払っていただいているお客さんに他ならず、教育的な責任を別にしても、最大限尊重しなければならない。守らねばならない者を放置して、組織の尻尾も切れないようでは、世間の非難に飲みこまれるのは、むしろ当然と言わねばなるまい。
そしてその尻尾だが、これは最悪である。本日加害者となってしまった学生、見た目も受け答えも好青年の彼が会見で証言した内容を聞けば、内田監督以下部の指導者たちの計画的犯行の疑いが濃厚であり、もはや刑事処分が至当と言える。
会見内容の詳報はコチラになるが、経緯として注目すべきは、守備のエース級だった加害選手が、事件の3日前の5月3日の練習時に、監督やコーチから「やる気が足りない。闘志が足りない」厳しい叱責を受け(「気合が足りない!」としか言えない指導者はバカなだけで、アメフトのような頭脳戦でもあるスポーツの指導者にそういった絶滅危惧のポンコツクズがいることだけでも、私には驚きなのだが、それはさておき)、監督から「やる気があるのかないのかわからないので、そういうやつは試合に出さない。辞めていい」と言われ、コーチからは「お前が変わらない限り、練習にも試合にも出さない」と言われ、さらに日本代表の辞退を迫られるなどのプレッシャーを受けている点だ。かなり精神的に追い詰められた加害学生は、5日にコーチから「『監督にお前をどうしたら試合に出せるか聞いたら、相手のクオーターバックを1プレー目で潰せば出してやる」「クオーターバックを潰しに行くので、僕を使ってくださいと監督に言いに行け』と言われ」「『相手のクオーターバックがけがをして、秋の試合に出られなかったらこっちの得だろう』『これは本当にやらなくてはいけないぞ』と念を押され、髪形を坊主にしてこいと指示され」る。さらには、「『1プレー目からクオーターバックを潰せといっとけ』と(コーチに)いわれた旨を(先輩から)告げられました。相手を潰すくらいの強い気持ちでやってこいという意味ではなく、本当にやらなくてはいけないのだと追い詰められて悩みました」と言う。
これは、実力のある(=破壊力のある)学生を精神的に追い詰めて、ライバル校の有力選手をプレー不能な状態に傷つける『弾』に使おうとする意図に相違あるまい。自分の指導する学生を理不尽なパワハラで精神的に追い詰め、他校の有為な若者の生命を危険に陥れるなど、このような者たちは教育の現場から永久に追放しなければならず、刑事的な責任を負わせるべきである。計画的犯罪者に反省など無用である。疾く、教育の場から消えていただきたい。
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