奥がノビィで後姿はアリィだ
日大の理事でアメフト部監督の内田さんは、ようやくピンクのネクタイ姿で現れたと思ったら、記者会見で「かんさいがくいんだいがく」と連呼しているので、可笑しかった。おそらく内田さんは、会見でも使用していた「関学さん(かんがくさん)」という愛称で普段表現しており、正式名称の認識の方は一般人よりも乏しかったのだろう。しかし、詫びる相手の名前を間違っては、これはもう話にならない(ネクタイの色もいただけない)。念のため断っておくが、かの大学の関西の読みは「クワンセイ」、普通には「カンセイ」、「かんせいがくいんだいがく」である(産経新聞関連記事)。
ところで、私のハンドルネームは、「ジャクボー」と言うのだが、これもよく間違えられる。このブログの雀坊は当て字で、本来は『有若亡』(有って無【亡】きがごとし)という中世の言い回しに由来しているのだが、クに濁点をつけられたり、ボ(bo)をポ(po)にされたりする。もちろん、個人的には、赤根(アカネ)を「セキネ」と読むマヌケな教師や(出席番号順に座っていて一番前に「セ」は有り得ないことくらい少し注意力があればわかるはず!!)、勝手に「アカバネ」に変えてしまうバカな教師がいても、自分のことだと思えば気にせず返事していたくらいに、何でも構わない。しかし、一般常識として名前を間違えるのは相手に非礼なのは疑いなく、他の人に間違えて覚えられてしまっても嫌なので、掲示板などでは間違えると書き込めないように設定している。本人が気にしないだけでは済まないわけだ。
もちろん、世の中には自分の名称にこだわる人もいる。例えば高校の同級生の井口君は、「イグチ」と呼ばれるたびに、間髪入れずに「イノクチです!」と立ち上がって抗議することを止めなかった。井口を「イグチ」と読むのはむしろ当然で、明治時代に戸籍登録する際、井ノ口とか井野口にしなかった先祖を恨め、と思うのだが、そのような理屈は通じない。彼にとって、井口はイノクチと呼ばれねばならないのである。
なぜ、当時の彼があれほどこだわりを見せたのか詳らかでないが、もしかしたら、普通「イグチ」と読む井口を「イノクチ」と呼ばれた時に、相手が「イノクチ」である自分を正しく認識していると感じて安心できたからなのかもしれない。これは関西学院も同様で、関西を「カンサイ」と読むのが現代では普通だが、それを「カンセイ」と呼ぶからこそ、相手のことをしっかり理解しようと努めていること、つまり、相手をリスペクトしている姿勢を伝えることができるし、相手も、「ああ、こいつはわかってくれているな」と感じてくれる。間違えてしまえば、まったく相手のことを理解しようとしない態度を表明したことになってしまうので、公式な場で名前は絶対に間違えてはならないのである。つまり、内田さんは、もっとも尊重しなければならず、尊重している自分の姿勢を示せる名称の読みで、また、やっちゃった、と言えよう(社会的に重い立場だと非礼は致命的だが、日大の理事はお気楽なものらしい)。
なぜ、当時の彼があれほどこだわりを見せたのか詳らかでないが、もしかしたら、普通「イグチ」と読む井口を「イノクチ」と呼ばれた時に、相手が「イノクチ」である自分を正しく認識していると感じて安心できたからなのかもしれない。これは関西学院も同様で、関西を「カンサイ」と読むのが現代では普通だが、それを「カンセイ」と呼ぶからこそ、相手のことをしっかり理解しようと努めていること、つまり、相手をリスペクトしている姿勢を伝えることができるし、相手も、「ああ、こいつはわかってくれているな」と感じてくれる。間違えてしまえば、まったく相手のことを理解しようとしない態度を表明したことになってしまうので、公式な場で名前は絶対に間違えてはならないのである。つまり、内田さんは、もっとも尊重しなければならず、尊重している自分の姿勢を示せる名称の読みで、また、やっちゃった、と言えよう(社会的に重い立場だと非礼は致命的だが、日大の理事はお気楽なものらしい)。
ところで、文鳥は自分の名前をしっかりと認識していることに、おそらく飼い主は気づくかと思う。愛想の良い子は、名前を呼ばれると返事をする。例えばノコリは、別名ノコピコと呼ばれ、それは「ノコちゃん!」と呼ぶと「ピコ!」と返事したからである(あくまでも若い頃の話。年をとると、自分が呼ばれているのに気づいていても無視する)。間違って他の文鳥の名前を呼ぶと、怪訝な目でジロっとにらまれることにもなる。
おそろしく賢いので、新しく我が家に来た子でも、名付けて連呼していると、それが自分に対する呼びかけだと、すぐに理解する。その点では、人間よりはるかに柔軟で優れているのではないか、と思う。
おそろしく賢いので、新しく我が家に来た子でも、名付けて連呼していると、それが自分に対する呼びかけだと、すぐに理解する。その点では、人間よりはるかに柔軟で優れているのではないか、と思う。
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