川崎市その他で公立学校の教員がプールへの給水操作を誤って、損害の半額を弁済した事案があり、NHKも検証しているのだが(記事)、なぜ
「危険責任・報償責任の原理(法理)」
についての指摘がないのか不思議に思っている。雇用者は業務上に生じる危険についての責任を負うべき、つまり、従業員が業務中に起こすミスによる損害は、従業員個人の責任ではなく、雇用者が負うべきとするのが法律上の常識のはずだからである。
「危険責任・報償責任の原理(法理)」
についての指摘がないのか不思議に思っている。雇用者は業務上に生じる危険についての責任を負うべき、つまり、従業員が業務中に起こすミスによる損害は、従業員個人の責任ではなく、雇用者が負うべきとするのが法律上の常識のはずだからである。
たとえば、皿洗いでお皿を落として割っても、会社は従業員から罰金を徴収したり、給料を減額するようなことは出来ず、行えば労働基準法への違反行為となる。川崎市の事案は、本来の業務とは違う特殊な行為を業務命令で強いて、それによるミスの責任を個人に負わせるものなので、「危険責任・報償責任の原理(法理)」により、本来一義的に責任を負うべきは雇用者たる自治体のはずだ。自分が加害者である自覚もなく個人に責任を課して「半額で済ましてやった」と言えば、へそが茶を沸かさざるを得まい。もし納税者に対して引け目を感じるなら、その地方自治体の職員全員から徴収するなり寄付を募るのが筋で、個人の過失を責めるなどあってはならず、私には違法にしか見えない。
プールの管理など、水道業者などその道のプロに委託するのが当たり前であり、その費用を惜しみ、教育のプロたるべき教員に余計な負担を強いた責任をこそ痛感すべきだろう。皿洗いに罰金を科すようなブラック企業同然の対応は、雇用者として無責任で恥じるべき態度に過ぎないのである。
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