初飛行が命日とは


この3羽には異常は見られず

 朝、オリが冷たくなっているのではないか不安だったが、昨夜から悪化した様子はなく、むしろ快調で、他のヒナたちに反応して初飛行までしてくれた(フゴにダイブする)。その様子を見て、かなり不安に感じつつも(はしゃぎすぎて安静にできない)、このまま小康を保ち、回復に向かうこともあるのでは、と望みを持った。
 だが、夕方には急激に悪化しており、強制給餌も困難になってしまった。口を開けてくれず、無理にこじ開けると舌が硬直化しているような感じで、もはやどうしようもない状態に思われた。体温も低下していて、手に乗せると昏々と眠る。3時間前とはずいぶんな変わりようだ。朝、昼とパウダーフードを食べさせているが、夕方にはフンをした様子がない。これも奇妙だ。下痢症状で脱水状態になって危篤になるのかと想像していたが、それは見当違いのようだ。では、何だろう。消化器、胃か腸かいずれもか、ほとんど活動しなくなるのだろうか。未消化、自己防衛的な粒餌の吐き戻し・・・、腸より胃、それも筋胃(砂嚢)が不活性になり消化できなくなるのか?腸は問題ないので、すりつぶす必要のないパウダーフードを与えれば、フンは固形で異状なく見えることになるのだろうか?
 ヒナに異常が起きて、通院しパウダーフードに変え、いったん持ち直すかに見えたが・・・、といった話は過去に何度も聞いた記憶があるのだが、同じ症状だろうか。なぜ起きるのか。体質か?なぜ、その体質が淘汰されなかったのだろう?感染症か?なぜ、一緒にいても問題ない子が多いのだろう?似た症状で亡くなった売り物の子たちとは、直接の接点はないし。いろいろ複合的要因により、とでもお茶を濁すしかないのかもしれない。
 などなどいろいろ考えてはみたがどうにもならず、夜の給餌時間になった。すでに、亡くなっていた。眠ったままの姿勢で、遺体の重さは18gしかなかった。衰弱しきって心停止してしまったのだろう。昨夜からさらに4g減。いったい何で消耗すればこうなってしまうのか、はなはだ不思議である。
 久々に生まれたウチの子だったのにな。明日、『文鳥墓苑』に葬ろうと思う。
 他の3羽は元気。キイはうろつき回るのに案外慎重で、まだ飛ばない。ミトは羽ばたき練習を始めており、案外こちらの方が早く飛び始めるかもしれない(ともに25g)。「ナイ」は相変わらず食欲旺盛だが、23gのままだ。
 この子たちは、このまま健康に育ってくれるはずである。 
【翌朝補記~埋葬法~】
 朝、埋葬。
 跡継ぎ予定者だったので、お墓の敷石下中央へ。生石灰の効果なのか、以前に埋葬した文鳥たちの亡骸は断片も見いだせないが、石灰の塊(ダマ)がみられた。これは石灰が多すぎたと見なすべきだろう。
 なぜ、石灰、それも生石灰をヨーロッパで人を土葬するような際に遺体周辺に撒くのか、腐敗させず早く土に戻すためと思われ、文鳥墓地でも採用している。理屈としては、腐りやすい肉体は酸性なので、アルカリ性の石灰と中和することで、腐敗した状態を長続きさせず土に戻してくれる、といったことかと思う。ただその目的だけなら、他の石灰でもボレー粉良さそうなものなので、生石灰を使うのは、これが水と反応して発熱する性質を持つため、凍えて土中バクテリアなどが不活性になる(=遺体が土に戻りにくくなる)北欧などでは、より有効なものとなるからであろう。
 土中の水分と反応して発熱→バクテリアなどが活性して遺体を分解→アルカリ性の石灰と反応して中和→土に戻る。したがって、冬季の場合、多めにかけていたのだが、やりすぎるとダマになる。冬以外では、ボレー粉で良いのではないか、と最近思っている。
 ともあれ合掌。横でミヤコワスレが咲き誇っているのでこれも一枚。


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