廃用こそ付加価値あり


同居するふたり

 文鳥の繁殖では、1~3歳が親鳥とされ、それ以降はどうなるのか?廃用として業者に安価に渡され、おそらくほとんどが小売店で売られることになる。この、おそらく百年くらいは続いているであろう商習慣に、レスキューが必要であろうか?
 ペットショップで売れ残り、子犬の容貌でなくなってきたら、ほとんど商品価値がゼロとなる。業者が繁殖で用いた成犬は、廃用としたくても引き取る先がない。従って、悪質な業者は遺棄するなどの犯罪行為に走ることになり、レスキューを行う慈善団体が必要不可欠となってくる。
 嫌な話だが、商品価値があるかないかで異なるのが現実で、商品価値のある文鳥の成鳥を、それが無くなってしまう犬と同一視することは出来ない。もちろん、廃用となった文鳥を、若い成鳥と混ぜて同じように流通させるのは、詐欺同然に思えるが、差別して商品価値を下げてしまえば、成犬同様の立場になり、何が起きるか考えたくないことになる。商品価値があれば、それで利益を得ようとするはずなので、流通しているものと推断しているだけで、綿密な追跡調査をしたわけではないので、確証はないのだ。
 単純に犬猫と同一視して、問題点が共通していると思い込んでも、事実は異なる。百羽なら、業者が飛んでくるが、百頭なら慈善団体にすがる以外に、生命を守ることが出来ないのである。私は、とりあえず、ペットショップで年齢詐称が疑われる文鳥がいても、繁殖実績があったら好都合と見なして、あまり気にしないようにしている。そういった価値観もあるので、廃用であることを、隠さず堂々と示して、流通させてもらいたものである(そうした商売にもなるレスキューならやりたいな)。

 さて、クリ子。昼間、ラックのカゴに入れた。
 ラックのカゴは、最初3羽暮らしだったこともあり、他と違って上段の手前に自然木止まり木がある。一方、クリは、手前のT字止まり木を定位置とするので(マナツと何故か牽制し合いながら、カゴの外から差し入れられる飼い主の指をつつくのが趣味)、サービスとしてT字止まり木を増設した。
 これで文句あるまい、と思ったのだが、あれほどバカップル状態を見せつけたのも忘れ、「こんなとこ嫌!ジジイ嫌い!!」と不機嫌な様子で、ラックのクチバシを小突きまくっていた(ラックは、今のところうっとり)。さすが、キュー様とニッキの子だ、とわがまま勝手の図々しさに感心しつつも、飼い主に同居を撤回する気はない。自分が蒔いた種なので、責任はきっちり果たしてもらう。
 このままクリが、我がままし放題となるのか、ラックが男の威厳を示すのか、どちらもせいぜい頑張ってもらいたい。

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