慎太郎さんの親馬鹿チャンリン

Untitled2.jpg
老体には柑橘類?
 石原慎太郎さんが、都知事候補の小池百合子さんを「大年増の厚化粧」と評して(産経記事)、物議を醸している。小池さんが臈たけた女性で素顔が感じられないお化粧をされるのは事実だと思うが(言い回しに気をつけるのも大変だが、かえって茶化しているだけともなる)、それより、石原さんが増田さんの支持をすることに、違和感を感じた。
 何しろ、この御仁は、ご自身も一橋大学出身のインテリでありながら、中央官僚を、少なくとも口先だけでは非難することが多く、今月16日のテレビ番組でも、「官僚的ではあっても政治家として創意、発想力がまったくなかった」「発想力のある人、創意のある人間が時代をつくってきた」としているのである(スポニチ記事)。もちろん、高齢を顧みずに無理な4選を果たして、任期途中で放り出してしまったのが、以後、権力欲に突き動かされた準備不足な人たちが都知事になって、問題を起こしてしまっている素因なので、論評するだけでも厚顔無恥にしか思えない人も多いはずだが、それはともかく、今回の都知事選では、多少ズレていたとしても創意工夫の実績のある政治家の小池さん支持のはずで、それを表明して一緒に選挙カーに乗らないのは、わざわざ分裂選挙に持ち込んだ息子の伸晃さんに遠慮しているのだと思っていた。
 それは、勝手な思い込みであろうか?否、「ちょっと物忘れが激しくなられた」どころではあるまい。ご自分の発言どころか信条にかかわる問題ではないか。例えば、2016年5月6日『週刊現代』において、石原さんは田中角栄を役人(中央官僚)を使いこなした天才と高く評価し、次のように語っている。
 「役人を使うのがうまかったというのは、言い換えれば役人を馬鹿にしていたということですよ。だって、彼らには発想力というものがない。僕も長いあいだ都知事をやりましたけど、知事というのは一種の「独裁者」的存在でね。これは僕じゃなくて橋下(徹)君が言った言葉だけども、ある意味でそうだと思う。発想力と権限をもった政治家が指揮しないと、役人は動かない。国政も同じことですよ」
 「発想力と権限をもった政治家」でなければ、都知事は務まらないとし、東大の助教授出身者さえ所詮は「官僚的」と断定した人物が、個人の資質はともあれ、中央官僚出身(建設省)の増田寛也さんを推すとは、宗旨替えでもしたような、実にドラスティックな転向でなくて何であろう?耄碌したのを差し引いても、息子可愛さに血迷った親馬鹿チャンリンを発揮しているようにしか思えず、醜悪でもあり、可愛らしくも感じられよう。
 それはさておき、最近、ポンは青菜や柑橘類を積極的に食べるようになっている。一時、そうしたものをまったく食べなかったので心配していたので、かなり喜ばしい変化だ。耄碌せずに、バリバリ食べて、元気でいてもらいたいものだ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました