迫り来るノブちゃん
井の頭公園のゾウのはな子さんが亡くなって、その関連の話題を、最近多く耳にするのだが、あのゾウさんは、ずいぶん気の毒な一生だった。人間のエゴで、動物の生態も「きもち」も考えず、翻弄してしまっていた傲慢な時代を、反省する他ないかと思う。
あのゾウは、2歳半でタイから、1頭、日本に送られてきた。もちろん、当時の人々に悪気はないのだが、無知だったとしか言いようがない。 例えるなら、宇宙人に幼児が拉致監禁された、に等しいのである。もちろん、宇宙人にエサをもらえば、身体は成長するだろうが、どうやって人間性を育むことができるだろうか?はな子さんは、子どもでもゾウはゾウだと、人間の方は信じて疑わなかっただろうが、子ゾウがゾウの社会でゾウとして成長する機会を奪ったことに気づかなかった。
もちろん、慈愛に満ちた宇宙人が、その幼児を宇宙人として育てれば、自分も宇宙人だと勘違いして育ってくれるかもしれない。はな子さんも、自分を人間と錯覚して、それなりに平穏に過ごせたかもしれないが、顔見世興行よろしく方方に駆り出され、衆人環視の見世物とされながら育ち、人間と信頼関係を築くことができなかった。
結果、ゾウでもない人間でもない、いったい自分をどこの何者かわからない生き物は、10歳前後のいわば少女の時期に、深夜のゾウ舎に闖入した酔客と飼育員を死なせてしまった。そして、情状の酌量も斟酌もしない人間たちは、脚には鎖を付け、「殺人ゾウ!」の罵声とともに石を投げつけた。
その後、動物にも同情心を持てる飼育員と出会い、何年もかけて人間への不信感を解き、穏やかな生活を送れるようになったが、それは、 牢獄のようなせまいゾウ舎で1頭で生きることしかできないものであり、牢獄の中でしか幸福を得られないゾウにしてしまった無知と人間中心の感覚しか持ち得なかった過去の反省を迫る象徴とも言えた。
自分たちには関係なさそうだが、案外、手乗り文鳥に当てはめて考えてみると、実に示唆に飛んでいるような気がする。考える種は、いくらでも転がっているもののようだ。
それはさておき、目下、飼い主は悩んでいる。それは、試しに別居させようかと考えていたフィンとジョーが、最近、少しだけカップルらしい様子になってきているからだ。
やはりプランBだな(CだったかEだったかも・・・)。ともあれ、この2羽は同居のまま様子見。アリィは、ソウ・テイのカゴに居候させ、アラシは気ままな1羽暮らしに戻る。・・・ノブちゃんの今後は、まだ考えないでおこう。
やはりプランBだな(CだったかEだったかも・・・)。ともあれ、この2羽は同居のまま様子見。アリィは、ソウ・テイのカゴに居候させ、アラシは気ままな1羽暮らしに戻る。・・・ノブちゃんの今後は、まだ考えないでおこう。
仲良く?食べるフィンとジョー
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