懐いても懐かなくても

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顔面換羽進行中のアリィ
 
 懐く(なつく)とは、「慣れ親しむ。親近感をいだき,近づきなじむ」ことなので、差し餌して育てた手乗り文鳥に対して用いるのは誤りだ、と思う。疎遠な状態から徐々に警戒心を解いて近づいて、慣れ親しんだ関係へと発展するのが『懐く』なのだから、始めから親だと思って一緒にいる相手に対して用いるのは、変なのである。
 これは、何度も繰り返して言っているが、自分の子供が、親である自分に懐くと表現しないのと同じだ。さらに、文鳥の場合、彼が同種とみなしている飼い主に恋愛感情を抱き、それを伴侶と決めてベタベタとコミュニケーションをとりたがったりすることも、やはり「懐く」とするのは不適当と言える。自分からアプローチしようと、相手の方が積極的だったにせよ、結果、恋愛関係に発展した場合、相手が懐いたとか、自分が相手に懐いたとか、普通は表現しないのである。
 飼い主は人間なので、意識的にせよ無意識にせよ、文鳥を自分とは違う動物として、厳然と区別するかもしれないが、それは飼い主側の身勝手で、相手はそのように見ていない。この認識が、文鳥の気持ちを読み解く際の、前提になるかと思う。
 
 で、アリィだが、この文鳥は、いまだ懐いていない。否、慣れるという意味なら、多少懐いてきたと言えるかもしれないが、人の姿を見れば、接近するより遁走するのを選ぶ段階だ。
 このような懐かない状態を嫌う人は多いが、私はこれも好きである。徐々に懐くのは楽しいし、どこまでも頑なに懐こうとしない態度も、見ていて実に興味深いものだからである(我が家に連れてきて悪かったな、とは少し思う) 。
 アリィは、かなり順応性が有り、さほど神経質ではなさそうなので、さほど頑なではなく、懐いてくる、と見ている。気長に変化を観察したい。 

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