細かろうが太かろうが

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細枝でのバトル(キミョーVSアラシ)
 
 過去からの飼育方法を理解せず、専門外の学問知識のつまみ食いをし、それで最新の飼育が出来るわけがない。それは、自分の文鳥を、実験動物にしているに等しいのに、それにすら気づいていないに過ぎない(つまり、その「実験」結果を生かせない)。昨日の野菜の話にしても、経験上問題とならないものを、人間のための栄養学の知識をつまみ食いして、それが正しい飼育知識だと、平然と吹聴して、何年経っても時間差で影響される人を産みだすのだから、何とも迷惑だと思う。
 原発事故騒動の際は、心配無用と言えば、「専門家でもないのに~」と言いながら、専門家でもないくせに放射線測定器などを遊び道具にして、心配することで気を紛らわしていた人も多かった(不安のスパイラルに陥って精神的に病んでしまう)。しかし、専門家などは、その実に狭い専門分野の学問を考究すべき存在で、それを一般レベルの生活にどのように応用するかなど、ほとんど考えない。つまり、一般レベルでは、それぞれが自分の生活のために、賢く、専門家の知見を取り入れねばならず、そのためには、偏った知識は有害にしかならない。
 文鳥の飼育に関してなら、当然、昔からの経験の積み重ねを尊重して基本にすべきで、それを個々の飼い主が、いろいろ他人の方法論や、さまざまの専門学問知識を参考に、どのように改善していけるかを、考えねばならないと思う。特定の専門知識は、あくまでも参考意見の一つでしかなく、自分の文鳥ライフの支障となるなら、無視して良いだろう。
 
 もちろん、経験的に言われていことは、迷信が含まれている。例えば、「止まり木が適切な太さでないと交尾がうまくいかない 」とされていた。しかし、これは嘘である。交尾など、巣の中でもするので、止まり木の太さなど無関係なのだ。↑のような細い枝でも、文鳥は器用に踏ん張っていられるし、ずっと太い枝の上は、地面同様で、よほど安定的と言える。
 そもそも、文鳥の交尾は、オスがメスの背に乗って、数秒、お尻をすり合わせる、曲芸のようなものなので、その最中や事後に、オスだけ、もしくはメスともどもに、体制を崩して滑り落ちることが多い。おそらく、その姿を交尾失敗と見なした先人たちが(今でも固く信じている人は多い)、止まり木の太さに原因を求めたものと思われる。しかし、交尾後に落ちても、途中で落ちてさえ、大勢に影響はあるまい。何しろ、多少でも受精しているだろうし、そうした機会は(文鳥の場合)何回もあり、それは止まり木上でなければならないわけではないのだ。
 
 専門知識のつまみ食いには危険を伴い、経験的なものには迷信がある。信じる者は救われないので、飼い主は、しっかり情報を分別しなければならない。
 医学、栄養学、動物行動学、生態学、その他もろもろ、つまみ食いした知識を、総合的に考えられるようにしたいものだ。・・・が、それより、自分の文鳥の様子を、しっかり読み取る努力をしたほうが、よほど有益なように思うなぁ。 

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