この立派な体格はクリ子さん
クリがキュー様の娘というのは、我が家の七不思議の一つだ。あの頃は、母のニッキに浮気の様子はなかったので、間違いはないはずだが・・・。
体格が良いのは母似のようだが、よく見ると、角ばった体つきのニッキとは違う。・・・オッキちゃんに似ているな。キュー様の父八代目ヤッチの母だから、クリにとっては曾祖母か。隔世遺伝とは面白いな。
体格が良いのは母似のようだが、よく見ると、角ばった体つきのニッキとは違う。・・・オッキちゃんに似ているな。キュー様の父八代目ヤッチの母だから、クリにとっては曾祖母か。隔世遺伝とは面白いな。
さて、先日、石井時彦さんの大正末年の飼育書に触れたというか槍玉にあげたので、コピーを引っ張り出し、もう少し抜き書きして、往時の雰囲気を伝えたいと思う(当然私もしらんけど)。なお、原文の仮名遣いや旧漢字など、テキトーに手直ししていることを、あらかじめお断りしておく。
「桜文鳥は白文鳥から見ますると余程品位が落ちまして、値段も半分以下で、普通の白文鳥が八九円なら、桜文鳥は三四円です。ですから、巣引きにあたりましては、なるべく白ばかり出るのが望ましいのでありますがさううまくも参りません。白文鳥と桜文鳥との割合は六分四分ないし七分三分という所で、総じて白文鳥の方が優勢です」
現在の断然桜文鳥派としては、ムカッとするのだが、白文鳥と桜文鳥に2倍以上の価格差があったことがわかる。また、この著者の場合、白文鳥以外は眼中にない勢いなので(なお、読みは「はくぶんちょう」とふりがなが付いている)、繁殖は白文鳥同士と思われるが、桜文鳥が一定の割合で生じている。これは、著者の語る白文鳥が、弥富系であったことを示しており、そのことは、名古屋の「古老」とか小鳥屋さんの説を取り上げたり、無精卵を必然のように書いている点からも伺える。
本来なら、弥富系の白文鳥同士からは、50パーセントが白、25パーセントが桜、残り25パーセントが無精卵(致死遺伝)が産まれるので、無事生まれたヒナの比率としては、白2対桜1となるので、確かに6対4と7対3の間なのである。
本来なら、弥富系の白文鳥同士からは、50パーセントが白、25パーセントが桜、残り25パーセントが無精卵(致死遺伝)が産まれるので、無事生まれたヒナの比率としては、白2対桜1となるので、確かに6対4と7対3の間なのである。
ついでに、この書物で一番好きな箇所を挙げておく。
「文鳥は非常に盛りの強い鳥でありまして、これを人情をもって解釈してみますと両性間の愛情がこまやかであるだけ嫉妬心も強いとでも例えますか、小さな籠に雌雄をやたらに追い込んでおきますと、可愛い彼女の奪い合いに、雄々しくもまた武々(たけだけ)しく、両雄対峙して果ては食い合い、つつき合い、頭は坊主に体は裸に、互いに毛を抜き合うくらいは上々で、うっかりすれば血にまみれ、あの上品な白衣の鳥がふさわしくもなく赤(あけ)に染み惨憺たる光景を演出するのであります。
斜めにした文章のリズム感から、石井さんは講談が好きだったのではないか、と、私は推測するのだが(「ちぎっては投げ、ちぎっては投げ」って感じでしょ?)、こういった文章を印刷して本にしてしまうのだから、戦間期、大正デモクラシーの時代は、自由気ままで、なかなか素敵だと思う。
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