五十歩百歩

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久々の晩柑をすするノコリ
 
 劣悪な環境でペットを展示販売していたとして、東京都昭島市のペットショップ『パピオン熱帯魚』が、業務停止命令を受けた。このニュース映像(日テレ)その他で当該店の様子を確認した私は、以前、別件で話題になった東京都議会議員氏が、「外の山積みされた百以上はあるだろうと思われる鳥カゴには、さまざまな鳥がひしめき合って」と議場で語られていたペットショップとは、このお店ではないかと思い至り、都議氏の発言内容を疑った不明をお詫びせねば、と思った(2014年6月23日のブログ)。先に言っておこう。「疑って、ゴメンね!」
 もちろん、路上に鳥カゴ約10台を並べて3段積みしている感じなので、それだけなら多くて30台で、100代以上には遠く及ばない。しかし、この店の外壁は棚状になっていて、そこにも鳥カゴは陳列されており、その数およそ20台はあるようだ。もちろん、こうしたお店によくあるタイプなのだが、外壁の棚は、夜間にはシャッターの内側に入るはずで、正確には「店内」かもしれないが、営業時間中戸外にある鳥カゴには相違ないので、路上の30台と一緒にしても、それはそれで不思議とは言えない。つまり、路上の30台と合計して50台。
 「外の山積みされた百以上」の「以上」は。それでも誇張表現になってしまうが、これが「近い」といった表現なら、50台を超えた程度あれば、誇張とは言えないくらいに、誤差は縮まってくる。五十歩百歩である。議員氏のように、こうした雰囲気のお店に耐性がなく、劣悪な展示環境(「飼育」ではない)にショックを受けた精神状態であれば、実際より多めに見えても不思議はなく、50台でも100台でも、違いを気にするほどのことではなくなるのではなかろうか。
  そのように考えれば、意識的に誇張しているように疑るのは、まさに下衆の勘ぐりに類し、これは反省しなければならない。しかし、私も間違ってはいない。「外に並べられるのは、せいぜい二十個くらいが限度である。それは、夜に店内へ移さねばならないと言う、ごく当たり前の物理的な制約があるために、そうなっており、無限大に増やせるものではない」と書いているが、30台程度は、私としては想定内で、荒川を越えて確認に行くほどの驚きはない。何しろ、犬猫を除き小鳥店としてだけ見た場合、この『パピオン熱帯魚』のような店は、昔、20年くらい前までは、京浜地域にもいくつか存在しており、それ以前は更に存在していたはずで、個人的には忌々しく懐かしいだけ、「嗚呼、昭和だ」、なのである。
 『パピオン熱帯魚』なるお店が、どういった歴史を持つのか、私は知らず、名前からの想像も難しい。あのような体たらくでは、繊細な熱帯魚の展示は難しいはずだが、それ以上に、「パピン」の意味がわからないではないか?パピンならフランス語で蝶の意味で、耳がチョウチョのような犬種の名前でもあり、たまに「パピオン」とする人もいるようだが、それだろうか?ここで想像をたくましくすれば、チョウチョより、むしろ犬種の方で、熱帯魚好きの店主が、パピヨンを飼育繁殖させていた、といったところになるが、それにしては、鳥類の販売も多いではないか・・・。
 そこでさらに想像を重ねてしまえば、熱帯魚なら熱帯魚の専門性を身につけず、あれやこれやと手を出し、自分が世話をできる限度を超えてしまい、「多種展示崩壊現場」となってしまっていた、との妄想に到達してしまう。何でも、都の職員が「34回立ち入って指導」していたようだが、「昔とおなじ」なのに指導などされて、むしろ戸惑ったのではなかろうか。昔に比べ、種類が多様になりすぎていたり、そもそも、自分自身が年齢を重ねて仕事量が昔と違うことにすら気づかなかったのかもしれない。それなら、取扱う種をしぼって、現在の基準に耐えられる衛生管理を行えるように、頑張ってもらいたいものである。
 
 さて、晩柑の季節になった。
 本年最初の晩柑は、オレンジ色の変わりものだが↓、味は普通のものと大差ないようだ。ジューシーでジュースにしやすくて助かる。
 

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