自分の経験は疑うべき

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ノコリの水浴びと見守るキミョー
 
 2012年の記事にコメントしている人がいる。たまに、こうした時間差のコメントをいただくが、承知の上なのか、日付とか見ないのか、ともあれ、「愛情ある」話のネタにしてしまう。

 例えば過酷な環境で生き残るのは桜文鳥(のよう)な気がします。
 白は飼い主に独占的(態度) 。
 桜文鳥は好奇心(旺盛)で、ヒナの成長が早い。
 どんな生き物も、野生色が一番丈夫なのではないかと思います。 

 「野生色が丈夫」などと言うのは、何の根拠もない個人の思い込みに過ぎない。もしかしたら、野生化した白文鳥がいないことから、それを虚弱のせいにする人もいるかもしれないが、その結論は、軽率にすぎる。
 そもそも、弥富系の白文鳥同士からは桜文鳥も生まれるように、白と桜では色柄以外に違いはない。もちろん、桜の方が「ヒナの成長が早い」とか、白の方が「独占」欲が強いなどという客観的事実は皆無だ(ごく狭い個人的経験などほぼ無意味)。問題は、その色柄だけにあり、白地に赤い白文鳥は、自然界では目立ちすぎ、捕食動物に狙われやすい点にある。つまり、「過酷な環境」で桜文鳥が生き残るとすれば、それは色柄がその環境により適していたに過ぎない。 
 もし、その生活環境がむしろ白いほうに有利なら、白文鳥こそが生き延びるだろうし、有利でなくとも格別不利でなければ、白文鳥の野生化も、まず間違いなく発生していただろう。白銀の世界の野生動物は白い者が多いし、また、特に保護色ではなくとも、白いアオダイショウも、白いウサギや白いトラは存在する。 

 個人の経験は貴重なものだが、自分の目で見て判断できる範囲は限られている上に、人間は先入観に支配されてしまいやすい。何か思い込みがあると、後から入ってくる知識を、安易に思い込みを補強する形で(自分勝手な解釈をし)組み込んでしまいがちになる。
 「気がします」とか「思います」では、他人を説得などできない。一人で納得せずに、他の解釈はないか、ゆっくり考えて欲しいものだ。

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