あやしい夫婦テン・エコ
無いから、家庭での手乗り文鳥飼育の権威なんていない。破戒坊主(寺の外で妻帯し子をなして家庭生活を営む僧侶が「高僧」として後進を導いていたらしいので、高野山金剛峯寺はすでに終わっている)の息子が、少年殺害の容疑で逮捕されたが、破戒坊主の中では学識があったらしいのに、いかれた息子を山奥の寺に幽閉することもしない体たらくだったように、学校の先生の子どもが、品行方正で学業優秀とは限らないように、家庭内の生活は、それぞれ個別で比較対照が難しく、従って、権威など有り得ない。
「飼育歴」も当てにならない。漫然と何百年飼育しても何もわからないし、1羽ずつを、数十年にわたって飼育しても、得られる個別の知識は数羽分に過ぎない。もちろん、飼育数も当てにならない。短期間でいくらでも増やせるし、飼育数が多すぎれば、個別の性格の違いまで把握するのは難しくなり、普通の手乗り文鳥飼育とはかけ離れてしまう。
飼育数の多く、飼育歴が長くても、飼い主としての権威など付加されない。つまり、飼育にあたって、権威を求めるのは誤解であり、そうした態度は、誤った権威への盲信による失敗を招く。何しろ世の中には、自他の飼育環境の違いなどまるでわきまえず、自分の飼育スタイルを批判検討することもないのに、何となく自分が権威者であったりプロであったりすると自認している、困った人は多いものなのだ。
たびたび指摘するところだが、ペットショップは、本質的には商品を展示しているのであって、家庭で飼育しているのとは異なる。つまり、家庭での飼育のことなど無知であっても構わない職種に過ぎない。獣医さんにしても、それがいかに鳥類の治療に関してエキスパートであっても、家庭での飼育など経験する必要のない職種であり、飼育は専門外なのが、普通である。
初心者は、権威を求めてしまいがちだが、そういった者はいないので、経験者の話をよく聞き分けて、自分のケースと似ていて、説明が合理的で、結果間違っていなかったことが確認できるもの、を選び取れるように心がけてほしいものだと思う。1羽の手乗り文鳥のヒナを育てるなら、とりあえず私のマネをしておけと私は思うのだが、これは権威だからではなく、明らかな経験論なので、無難であるから、に過ぎない。
飼い主は、自分の文鳥についてだけの権威と言えるように頑張れば良いわけで、それが究極の目標で、それ以上は無い、と思う。
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