文鳥は他とは違うのだよ

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水しぶきも尋常でないエコ
 
 なぜ突然このような話を書くのか、自分でもわからないのだが、確かに、違うのだよ。
 文鳥(ブンチョウ)が『スゴイ』ことは、まともな感性と注意力の持ち主なら、手乗りを飼ってみたらまず間違いなく体得できると思う。それは、他の小鳥も同じであろうか?どれも大差はないだろう、との思い込みは、「一般ピープル」にとって当然であり、この点について、他の小鳥をよく知らない私も(飼育経験は文鳥以外に子供の頃の十姉妹のみ)、生活上気づいた点を比較して明確な違いを指摘することは出来ない。
 しかし、あらゆる小鳥を熟知するいわゆる有識者が、文鳥を特別視している例なら知っているので、「他とは違うのだよ」の認識となっている。その有識者とは、故人だが(1917~2006年)、宇田川竜男氏である。宇田川さんは、上野動物園に勤務した経験を持つ獣医師であり、理学博士であり、麻布大学の教授を長年にわたって後進の指導に当たられた鳥類学者であり、一般に向けても、さまざまなペット動物、特に小鳥の飼育書を何冊もお書きになられた大先生だ。
 その大先生が、文鳥を特別視している。すでに何度か触れているが、『やさしい小鳥の飼い方』(有紀書房1996年)は、ブックオフの100円コーナーで見つけたら、(ネタとして)買っておくべきだと思う(楽天市場店にもあったりして↓)。
 「愛らしい表情や動作をしていながら、まったくわからないのがブンチョウという鳥です」
 「ブンチョウはメスいささか調子はずれで」
 
 他の小鳥に比べたら、調子が狂ってしまう、何か一つの答えがなく、ケースバイケースでいろいろ変わるので、マニュアル化した飼育方法を求めにくい、つまり平準化が難しいといったことかと思うが、簡単に言えば、わけのわからん小鳥、といったご認識だったように思える。
 このわけのわからなさ、個性がそれぞれで異なっていて、行動が読めないように鳥類飼育のオーソリティーにも思えてしまう凄味こそ、文鳥の「他とは違うのだよ」の根源だと私は思う。しかし、わけがわからないのは、人間側の都合で平均値を求めようとするからで、文鳥の個性を認めて、自分の文鳥との付き合いを大切にしていれば、少なくとも自分の文鳥について、わけがわからないことは無くなっていくはずだと思う。
 つまり、小鳥飼育のオーソリティや、文鳥飼育のスペシャリスト以上に、自分の文鳥に関してなら、飼い主が一番よく理解できると実感させてくれるのが、文鳥という生き物なのかもしれない(他の生き物も個性はそれぞれ違うはずだが、文鳥ほど「派手」ではないのだろう) 。がんばって、子どもの親のように、自分の文鳥の一番の理解者になりたいものである。
 

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