![Untitled1.jpg](/image/885eb56dcfe9962f7fa3b8809862b175da56a2db.80.2.9.2.jpeg)
羽をくわえて考えるキミョーな男
痛みを伴うから治療しないのなら、獣医師の存在理由が失われる。一時的な痛みを伴っても、治療行為を行うことで、生命を長らえたり、少なくとも今の状態の改善が期待できるからこそ、それを行うはずで、一時の痛みを甘受しなければ、治療など出来まい。
したがって、抜けば3週間後に新しい羽が生えて、不自由しなくなる小鳥を前にして、「どうせそのうち伸びてきて飛べるようになるよ」、などと言っては、もはや小鳥を診る適性どころか、開業獣医としての適性も疑わなければならなくなる。「そのうち」が1年以上後のことになるかもしれず、その間、飛べないことによるリスクを想定しないような人間に、一体何を期待したら良いだろう?例えば、犬の飼い主に対し、「骨折してるけど、ほっといても、そのうちくっつくよ」では、そもそも商売として成立しないはずだ。また、爪が長々と伸びてしまっている犬を診療しながら、爪を切らなかったり、耳漏をしていても拭いてやらないような獣医さんは、過当競争の中で、営業を継続するのは難しくなるかと思う。
小鳥の風切羽を抜くことなど、少しでも手馴れていれば、犬の爪を切るよりはるかに簡単で、場合によっては治療とみなさずサービスの範疇の行為でしかない。それに対し、己の無知を露呈するだけの陳腐な能書きを垂れて避けるようでは、・・・ま、どうしようもないということである。
なぜそれほど大変に思えるのか?経験が無いか希薄で、しかも、まじめに基本を踏み外さないようにしたばかりに、自信を失った結果ではないかと、私は憶測してしまう。
なぜなら、小鳥の保定の基本形で翼を伸ばすのは、少々大変なのだ。もちろん、それが出来なければ翼の治療など出来ないはずなので(出来ないからレントゲンでごまかす?)、小鳥の治療を得意とする獣医さんは、私など足元に及ぶべくもないほどに、プロの手技をまざまざと見せつけてくれるはずだが、真似するのは難しいのだ。
人差し指と中指の間に、文鳥の首を挟むようにする。これが保定の基本。文鳥の首は、おそろしいほど細いので、多少締め付けるようになっても問題にならず、さらに、人差し指と中指を折り曲げて、文鳥の胸の部分を軽く押さえる形にすれば、ジェットコースターの安全具のごとく万全となるわけだ。しかも、この保定では、親指・薬指・小指の3本を自由に使えるので、爪切りなどの際に脚を持って固定できる。しかし、翼を広げるのは難しい。薬指・小指が役に立たず、保定に必要な人差し指と親指で広げるしかないのだ↓。これは、利き手なら可能でも、反対側となると、ぐ~んと難易度が上がり、保定に無理が生じて、失敗して不思議はない。
しかし、翼を広げ羽を抜くわずかな時間の保定なら、簡単で良いのである。文鳥を手のひらに乗せ、頭を親指で圧迫しつつ、その親指と人差し指・中指で翼を広げれば良いのだ。これは、「握り文鳥」であれば、手のひらで遊んでいる時に出来てしまうし、↓↓のように、非手乗りであっても、体勢に無理がなく視界も阻めるので、抵抗は少ないはずである。家庭で羽を抜くのなら、利き手でなくても簡単な、このテキトー保定で良いかと思う。
しかし、翼を広げ羽を抜くわずかな時間の保定なら、簡単で良いのである。文鳥を手のひらに乗せ、頭を親指で圧迫しつつ、その親指と人差し指・中指で翼を広げれば良いのだ。これは、「握り文鳥」であれば、手のひらで遊んでいる時に出来てしまうし、↓↓のように、非手乗りであっても、体勢に無理がなく視界も阻めるので、抵抗は少ないはずである。家庭で羽を抜くのなら、利き手でなくても簡単な、このテキトー保定で良いかと思う。
風切羽は、羽軸のやや根元よりを持って、羽の先端方向に向けて、少しねじり加減に一瞬力を入れて引き抜く。これは、人間の髪を抜く要領と同じで、一瞬でないと、引っ張って痛いだけになる。一瞬思い切り力を入れる。分からなければ、自分の髪(があれば)を引っこ抜いて練習すると良いかと思う。
必要があれば、恐れず、無意味な能書きを言わず、実行していただきたい。ご奮闘を期待する。
必要があれば、恐れず、無意味な能書きを言わず、実行していただきたい。ご奮闘を期待する。
![Untitled2.jpg](/image/3b003335ceb5fbc26ba023429e4e842d216169fa.80.2.9.2.jpeg)
右手による正統派保定で羽を広げた状態(不安げなリオ君)
![Untitled3.jpg](/image/4bc549bfb92c07fe45f85fb4feda1235e9fc287f.80.2.9.2.jpeg)
左手のテキトー保定で羽を広げた状態(反抗的な目つきのエコ)
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