撒き餌に「トレーニング」効果なし

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盗み食いするマナツ
 
 暑さに負けながらも、文鳥ヒナの飼育について、改めてアレコレ考えている。
 以前、『文鳥ことばで話そう!』の中では、ヒナに対する撒き餌を否定せず、それも有りとしたのだが、現在は、やっても無意味、という意見になっている。もともと、個人的に撒き餌はしないので、しなくても問題なくひとりエサになることはわかっているのだが、結構、実践している人も多く、否定する根拠も特に持たなかったので、それなりに遠慮したのである。
 しかし、つらつら考え、やはり無意味、の結論に達した。その理由は、自然界での巣立ちに相当する初飛行までは、ヒナは給餌時間以外は暗い場所におり、文鳥は夜目が効かないので、撒いたところで見えず、拾うことは出来ず、当然無意味になる。また、給餌中に落ちた粒エサをかじることはあるが、これは一種の「歯固め」でクチバシで噛む力を身につけるための成長過程を示すもので、エサとして認識していると言うより、たんに噛みごたえのあるものをかじっていると見なすべきで、エサを食べようとしていると見なすのは、事実誤認と思われる。そもそも、自然界での摂食トレーニングは、巣立ち後に親鳥の行動を真似することに他ならず、それ以前に「トレーニング」など有り得ない。有り得ないとなれば、その成長段階ではヒナは覚えない、と見なすのが、常識的判断かと思われる。
 さらに、巣立ち後の「トレーニング」としても、撒き餌は逆効果だろう。その頃のヒナは、まだ不器用なので、床の粒エサを拾って食べるのが難しく、むしろ、エサ箱にある状態や、粟穂のような状態の方が食べやすい。「トレーニング」なら、やはり、食べやすい状態から慣れさせるのが妥当であり、わざわざ難易度の高いことをさせる意味があるとは思えない。
  やはり、撒いて放っておけば勝手に覚えるでは、無理がある。飼い主は親鳥の立場なので、エサを食べることを見せてやるのが、一番の「トレーニング」に相違あるまい。特に他に文鳥のいない環境では、湯漬エサを給餌器でつついて遊んだり、指先に付いたものをヒナの目の前に差し出したり、青菜をちぎってみせたり、そういったことを少し意識して、試みて欲しいと思う。 

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