トウモロコシの日
ご飯粒とかパンくずは、文鳥に与えてはならないとされることが多いので、加熱したものを与えてはならないと勘違いしている人がいる。加熱の有無が問題ではなく、より単純にネバネバと粘り気があって、そのうに付着して、消化の妨げになるかならないか、が問題なのである。この本質的な部分を理解せず、なぜ禁止されるのか勝手な解釈を始め、パンは塩分を含むから、とか、イースト菌を含むから、などと主張すれば、それはトンチンカンな議論になってしまう。
なぜなら、文鳥は、日本人による食塩過剰生活とは真逆の食生活にあるので、通常は、塩分が不足することはあっても過剰になることはないので、おやつに与えるパンくずが含む塩分程度なら、外になるとは考えにくい。イースト菌の方も変な話で、確かに膨らませるためにパン生地には含まれるが、高温で焼かれた後に、そんなものが存在していると思っているのだろうか?
粘り気があるかどうかなど、食べるなり潰してみれば分かる話なので、科学的な理屈は必要ないが、あえて言えば、加水加熱して粘り気が生じることを糊化(こか)と呼び、それはでんぷん質の内のアミロペクチンに水分と熱が加わってアルファ化することによって生じる現象だ。ところが、同じでんぷん質でも、他方のアミロースだと、アルファ化しても糊のような粘性は生じない。この性質の違いにより、粘り気を持たないアミロースの比率が多いお米などをウルチ系、アミロペクチンの比率が多くアルファ化すると粘り気を持つお米などをモチ系と呼んでいる。
日本のお米は、現在の日本人の好みに合わせ、ウルチ系にモチ系の要素を入れているので(特にコシヒカリ系のお米。個人的にはパサパサしたお米が好きなので、「余計なことしやがる」と思っている)、粘り気が多くなってしまうが、本来は、ウルチ系はあまりネバネバしないのである。そして、ウルチ系とモチ系はトウモロコシにもあって、八百屋さんで普通に売っているのはウルチ系、コーンスターチに加工するようなものは、別のモチ系の品種となる。
ウチでゆでて食べるトウモロコシが粘らないのは、このように科学的な理屈としても当然で、粘らない以上、粘り気のためそのうに付着するとする危険性には当てはまらないのである。むしろ、消化が良くなるので、粘り気が生じなければ、アルファ化は文鳥にとっても望ましいと考えるのが、科学的な判断と言えよう。
知識があるほど、その知識が『点』に過ぎないことを理解せず、生活という『面』や『空間』に当てはめようとしてしまう。それも、やはり、生兵法となってしまうものかと思える。
もちろん、積極的にふかしたトウモロコシを食べさせる理由もないように思うが、それを有害とする理屈も無いと考えて良いかと思う。文鳥が好むなら、そればかりを与えて偏食にならないように気をつけつつ、柔軟に提供すれば良いはずである。
もちろん、積極的にふかしたトウモロコシを食べさせる理由もないように思うが、それを有害とする理屈も無いと考えて良いかと思う。文鳥が好むなら、そればかりを与えて偏食にならないように気をつけつつ、柔軟に提供すれば良いはずである。
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