今日はサクの調子も良かったようだ
研究者という生き物は、独自の見解を展開したい習性を持つので、すでに存在する文章を無断で借用することはない。「そのとおり!実に良いことを言う」と、他人の文章に感心したら、自分が賛同する理由、さらに補強するための理屈などなどをごちゃごちゃと付け加えねば気が済まず、そのままを自分の見解として文章化することなど、頼まれても出来ないものと思う。したがって、研究者は他人の研究を盗用することなど有り得ず、盗用が出来る人間は異質な存在で、研究者では無い。
大学で文系(人文科学)の史学を専攻すると、卒業するのに論文を書く必要がある。これも研究なので、本来盗作など有り得ないものと、研究者である教授たちは当然そのような前提に立つが、残念ながら学部の学生は研究者では無いので、卒業するために誰かの論文なり文章を盗用することがある。もし、盗作された元の論文を指導教授が知っていれば、それでも及第点ギリギリで卒業させてしまう程度で済ませてしまいそうだが、知らずに評価してしまい(普段からレポートなどを提出させて実力の程を知っていれば「オメェ~に書けるわけネーだろ!」くらいわかると思うのだが、私のような柄の悪さも猜疑心の持ち合わせもない教授は珍しくないはず)、論文集などに載せてしまうと、大変なことになる。盗作した相手にバレてしまうのである。
理系(自然科学)、それも医学的に還元できるような学問分野の研究者の場合、独自の見解を展開したい習性のみならず、その研究によって難治の患者を救いたい、といった明確な目標があるはずなので、そうなると、なおさら盗用や捏造は不可能になる。すでに研究成果があるものを盗用しても、技術の進歩には無意味であり、成果を捏造しても、実用でなければ無意味だ。出来もしないことを出来るものとしたら、治療技術の進歩発展を阻害するだけになってしまい、自分の研究目的の邪魔になるだけなのである。従って、人文系の研究者以上に、盗用する者など有り得ないのが前提となっているはずである。
さて、昨今の、割烹着女史は、仄聞するに、博士論文に長々とインターネットで拾える文章を貼り付けていたそうだ(本人は「下書き」と言っているそうだが【産経記事】、大学に提出したものなら素稿とするのも難しく、そもそも、参考にする文章など抜き出せば良いだけなので、下書き以前のメモ段階でゴミ箱行きだろうに)。そういった行動が出来るというだけで、研究者として不適格な性質だったのは明らかで、自分には不向きな稼業と、もっと早くに気づくべきだったと思う。
今回の事態は、そのような研究者に向かない性質の人間が、新しい発見を望む研究者たちに嘱望され、期待に応えようと成果を捏造した、考古学の「ゴッドハンド」事件(旧石器捏造事件)と同じ構図ではなかったかと思える。国を代表するような研究機関たる理化学研究所までが、「共同研究」などとしつつ、その実、特定個人に成果を求めるだけの無責任で危険な構図に、いまだに無頓着無防備、むしろ無自覚に思えて、呆れてしまった。もちろん、新たにしっかりした論文を提出すれば良いと思っているなら認識は甘すぎると言わねばならない。今回は不思議と研究成果の根幹は揺るがなかったとしても(揺るぐも何も、発表する前の何もない状態だろうに)、割烹着だろうとエプロンだろうとステテコだろうと、悪意のある捏造を許してしまう研究機関の体質が問題なのだ。便利な非研究者を研究者の中のそれも枢要な位置に付け、捏造を教唆する結果となるような体質は無かったか、STAP細胞の発見自体、事実で有るか無いかは無関係に、十分に検証し、再発を防いで頂きたいものである。
で、研究者でない私も、やはり墓穴を掘っていた。ただし、リアルに。泥まみれになって。『文鳥墓苑』の改修である。
いろいろと齟齬があったものの、とりあえずブロックを設置し、速乾性のセメントがそこそこ固まった2時間後には、移植作業を行った。途中、キュー様の遺骸らしきものが見えたが、見なかったことにして素早く土をかぶせて、とにかく元のプランターにあった土を9割程度入れることが出来た。あとは、穴の部分にモルタルを詰めねばならないが、おそらく多少歪むと思われるので(すでに上下に多少ずれているのだが、細かなことは気にしない・・・)、様子を見て後日のことにする。
なるべく根を残して移植したが、植木や草花が無事かは心もとない。しかし、これから良い季節になるので、少し広くなった分、元気に繁茂してくれることを祈る。また、周囲のニチニチソウその他を踏み荒らしてしまったが、これもめげずに復活してもらいたい。内外からブロックがほとんど隠れる状態が理想型なのだ。
この改修で、埋葬地が地面と接したので、おそらくミミズその他が生息しやすくなり、遺体が土に戻るのも早まるのではないかと思う。とは言え、あまり連続で埋葬することになると、精神的にくたびれてしまうので、ゆっくりゆっくり間を置いて、でお願いしたい。
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