米喰い鳥たちの温水浴び
文鳥たち用のお米を探してネットサーフィンしていたら、「NONベクレル米」などという言葉を目にして、何とも情けない気持ちになった。
先ごろ、天皇陛下に下手な字で手紙を書いて手渡し物議を醸した残念な人は、なぜか国会議員をしているらしいのだが、食べ物に含まれる放射性物質を怖がり、特定地域の産品に「べくれてる」などとレッテルを貼っていると仄聞する。しかし、場違いな紙くずを押し付けられた陛下は、今年、福島県広野町で原発事故後初めてお米が収穫されたとお聞きになり、「苦労されて作ったお米であろうから、自分たちも少しいただこうか」と取り寄せられているような方で(記事)、ヤマモト君とは気が合わないと思われる。
中学生レベルの地理の知識も、高校生レベルの科学知識も無いのか忘れてしまった人の一部は、いまだに一定の地域、特定の県の農産品を排除しようと、躍起になっているのかもしれない。陛下のような態度を見聞きして、日本人として恥ずかしくないのだろうか?
それでも、基準値内であれ、放射性セシウムなどが比較的多く含まれる農産品を避けたいと思っても、無理からぬところだろう。しかしながら、市場に流通されるものの多くは、たまたま事故原発が立地したのと同じ県下のものであっても(県境など関係ないので、特定県を差別するのは非科学でしかない)、まして他の東北地域は、検出可能量未満のものしか見かけない。その他遠方の地域と同様に未検出である以上は、「NONベクレル米」であり「べくれて」いないと見なす以外にない。
それでも幼児的な妄想に囚われるのが人間だが、その情緒的な不安を抑えるために、大人には知性が有り理性が有るのではなかろうか?いろいろ怖がらせる愉快犯のような人たちの戯言におどらされ、不安になる気持ちが生じても、それを抑えて、恥じない行動をとりたいものだと思う。
私が探している安全で文鳥に適しているのではないかと思えるお米の基準に、「ベクレル」の値は無い。どこの地域であっても、基準値内どころか、未検出が普通だからだ。
では、何を安全とするかと言えば、単純に無農薬栽培であるかだけ。人間が精米して食べる分には、農薬などいくら使っても大したことは無いと思っているのだが、玄米やましてや籾をかじって食べる場合は、農薬は使って頂きたくないのだ。
栽培方法は別にして、数あるお米の品種の中で、どのようなものが日本の文鳥(つまりはウチの文鳥たち)に適しているのか?原産地では、元々パサパサした長細いインディカ米を食べていたはずなので、日本人が好むコシヒカリのような低アミロースのモチモチしたものは、あまり食べる機会がなかったのではないか。では、インディカ米が良いのかと言えば、飼鳥化して軟弱になったのか、あまり粒が大きいと飲み込めなくなってしまうように感じる。つまり、個人的な印象論として思ったり感じたりするところでは、比較的に高アミロースで小さい米が良い、と考えている。
無農薬栽培で硬くて小さいタイプのお米で籾状態で譲ってもらえる・・・、これが難しい。そもそも、米の備蓄では収穫後に籾殻を取り除いた玄米の状態で低温保存することが多いため、籾の状態で保存されていることが少ない。籾保存をしているところは、低温保存する施設を持たない農家や、籾保存が一番良いと信じる人に限られるのである。素人としては、籾状態で低温保存するのが最も劣化を防げるのではないかと思うのだが、籾状態ではかさばってしまい保管スペースが余計に必要となるので、玄米貯蔵にすることが多くなってしまうのも理解できる。一方低温保存施設がなければ、劣化を避けるために籾貯蔵がベターとなるのだろう。
つまり、とにかく無農薬栽培の籾米が欲しい私は、比較的に規模の小さな農家との交渉が必然となってくる。これが、考える以上に困難なのだ。そういったわけで、具体的な品種などの話は、後日に譲る。
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