なぜ差し餌の回数を減らす?

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アトの水浴びを学習中

 アラは、まだ差し餌をよく食べてくれる。飛び回るのでお腹が減るのだ。遊んでエネルギーを消費する子は、よく食べねばならない。

 文鳥のヒナの飼育では、大きくなるに従って差し餌の回数を減らす人が、案外多いようだ(そうするのが当然と、信じて疑わないらしい)。しかし、差し餌の回数を減らす=遊ぶ回数も減らすという意味合いなら、それは真似しない方が良いと思う。
 飛ぶようになったヒナは、自然界なら、巣を離れて親鳥と行動をと共にしながら、生きていく術を学習しなければならない。一方、手のり文鳥を育てる飼い主は親鳥役のはずなのに、この時期に一緒に行動する時間を減らすのは、おかしな話なのである。
 親と一緒に飛び回り、兄弟姉妹と遊び、お腹を減らした子は、親鳥に多く給餌を求めることになる。親鳥にとっては、飛べない時よりも負担は増すので、十分な給餌が不可能になっていくだろう。そうなると、お腹いっぱいに食べたいヒナたちは、自分で食べられるようにならねばならず、自然と自立は促進されるのだ。
 つまり、差し餌回数を減らすより、体を動かす時間を増やす方が、よほど自然と言える。今までどおり、1日に4回なり5回なり同じ回数を与えても、カゴで生活するようになったヒナは、フゴの中でじっとしている時より、ずっとエネルギーを消費し、空腹になっているはずなので、さらに与える間隔を伸ばして飢餓感を感じさせなくとも、十分に待ち遠しい状態になっている。
 まして、差し餌もしないのに一緒に遊んでも、エサをまるでくれない「親」に親しみを感じるだろうか?この自立に向けたトレーニングの期間に、差し餌の用意をせず遊んでも、あまり良い感情は生まれないだろう。飼い主は、親鳥と違って、成長後も一緒に生活するので、疎遠になるような行動を、わざわざ行う必要はあるまい。

 ま、そもそも、差し餌の期間が長ければ長~いほど、個人的には幸福なのだが、誰も彼も一ヶ月半もすれば口を開けなくなってしまう・・・。アラは、最長記録を目指して欲しい。

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