シロ文鳥の復活は?

孵化12日目の文鳥《アラ》
熟睡して目を見せないのは仕方がないが、ずいぶん太く見える脚だな・・・

 たまに誤解している人もいるようだが、文鳥の英語の別名はrice birdで、Japanese ricebirdではない。Japaneseが付くと、白文鳥限定となる。
 白文鳥は、その読み方も「シロブンチョウ」もしくは「ハクブンチョウ」と一定しない。どちらも使用されており、どちらでも良いのだが、あえてどちらかに決めろと言われたら、「シロブンチョウ」が、言葉として正しい。なぜならば、桜を「サクラ」、並を「ナミ」と訓読みしながら(※並文鳥とは、野生の文鳥を捕獲して売っていた時代の名称なので、現在、並文鳥は存在しない)、白を「ハク」と音読みしては、整合性に欠けてしまうからである。
 その白文鳥は、明治初期に日本の愛知県弥富市(又八新田)の農家で出現した白変種を起源にすると推定されるものの、その経緯は漠然としている。しかし、日本で産まれて増えた品種であるのは間違いなく、希少な存在として日本から欧米に輸出されたようなので、白文鳥だけに、Japaneseを冠することになったようだ。
 となれば、正しい桜文鳥は白文鳥を祖先として持つはずなので、これもJapaneseには相違あるまい。確かにそれはその通りだが、欧米の人たちには、桜文鳥の概念がおそらく無いので、これも「Japaneseなのだ!」と主張しても無駄であり、Japaneseが付けば、白文鳥の固有名詞になってしまう現実は、動かしようがない。
 なお、白変種と言うのは、メラニン色素が遺伝子異常によって欠如してしまったアルビノとは異なり、メラニン色素の生成能力は正常なので、瞳孔には色素があり、赤目とはならない。つまり、体色が白色になっただけで、その他の体質には、何ら影響しない。
 サバンナなど地表面の露出が多い環境では茶色、ジャングルのような陰陽の落差の激しい環境では黒い斑、白銀の世界では白色、そういった色や模様が環境に紛れる保護色となるが、環境の変化はどこであれ起こり得るので、それに適応する要素を持つためなのか、いろいろな生物で、時折、本来の色とは異なる色柄の変異個体は出現する。つまり、遺伝要素に色の変質の柔軟性を持たせることで、違った環境にも適応する可能性を増やすことになるわけだが、白文鳥も、そのような白変種の一例と見なせるだろう。
 色が変わって、体質が劣化したのでは適応の意味がないので、色以外はノーマルな個体と変わらないはずである。つまり、「白文鳥は体質が弱い」だとか何だとかいった主張は、その主張する人の限られた経験や、知り合いからの風聞からの思い込みに基づく可能性が強く(そう思ってみればそう見えることが多い)、真実と見なすことは到底出来ない。

 これだけ前ふりをしながら、言いたいことは、Japanese ricebirdが、我が家にいない、というだけのことなのである。アラの真っ黒な翼を見ていると、祖母のケコから白羽増加の望みを断たれ(=シナモン因子の遺伝可能性増大?)、さらに祖父シンさんから新鮮な?白文鳥の遺伝子が受け継がれるはずの15代目計画が、(多くはアトのせいで)頓挫している現在、我が桜文鳥家系の白斑模様の維持のためにも、おそらく白文鳥の遺伝子の導入は重要となるはずである。
 従って、アラがメスだとだいたい確定したら、よりどりみどりでメスたくさん状態に(7羽の独身♀!!)、オス白文鳥を是非迎えねばなるまい。だが、それまで3ヶ月ほど・・・。それだけあれば、どうなるかわからないのが我が家の文鳥社会だ・・・。アラがオスなら・・・、15代目計画が奇跡的にうまくいったら・・・、また卵査察漏れが起きたら・・・、嫌なことだが急逝もあり得ると言わねばならぬ。考えればキリがない。白文鳥導入計画も、具体化させずに放置しておくしかなさそうだ。

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