文鳥に適した温湿度

Untitled1.jpg
父ノコリ同様に「切符切り」に励むガイ

 切るのではなくハサミを入れるで、切り口のことを「鋏痕(きょうこん)」などと呼ぶらしいのだが、改札口で駅員が「カチャカチャカチャ」と神業で切符にハサミを入れる姿など、若い人は見たことがないだろうから、どうでも良い知識だ。・・・では、文鳥がクチバシの跡を付けるのは、嘴痕となるのか?どう読むのだ?「しこん」・・・これでは通じないだろう。

 それはともかく、一昨日の埼玉県での夏の高校野球において、選手が熱中症になってしまい、それに対する見解が物議を呼んでいるらしい(記事)。高校野球の指導者や高野連の方々には、最近の都市部の気温上昇が、一昔前の常識を超えたものになってきており、指導者や運営側に配慮が求められていることに、まるで気づいていないらしい。
 NHKと朝日新聞といった、普段は実に立派なご高説をたれ給う紳士なメディアの皆様が、一方で熱中症厳重注意の情報を連呼しながら、真夏の炎天下での異常なスポーツ教育を看過、むしろご後援なされているのか、整合性のあるご説明を承りたいものである。

 かくも、日本の特に都市部の真夏の暑さは猛烈なものがあるが、それはもともと熱帯並みの気候の上に、エアコンなどの排熱が加わっているためかと思われる。もともと熱帯並みになるのは、広大な太平洋で熱帯の熱気を集めた高気圧から、思い切り熱風を受けるためで、案外わかっていない人も多いが、日本の真夏の暑さは、熱帯そのものかそれ以上なのである。
 実際、手元にある10年前の地理統計を見ると、文鳥の故郷であるインドネシアの首都ジャカルタは、月の平均気温は26.4~28.1℃と、一年を通じてほぼ一定だが、日本の首都東京の8月の平均気温は27.1℃、また、西の大都市大阪はさらに暑い28.4℃となっている。ほとんど同じと見て良いだろう。つまり、高校球児並みに直射日光を浴びせかけるような狂気の沙汰をしなければ(気温は日陰に設置した通気性のある観測箱で測るもの)、日本の夏環境こそ、文鳥にとっては故郷のそれなのである。ついでに、湿度も同程度に60、70パーセントが当たり前となっており、とても蒸し暑い。
 では、日本の関東以西の平野部あたりの真夏の環境が文鳥にとって最適とは言えないと思う。ヒートアイランド現象が起きない田園地域では、朝方は涼しく、より活動しやすいはずで、真昼の暑い時間帯は、日陰で静かに休むことが多いだろう。つまり、25℃程度が快適で、30~35℃程度ならしのげる、普通に人間と同じような感覚と考えて良いかと思われる。湿度は、熱帯雨林気候でも、雨季と乾季のある地域にも適応しているはずなので、高湿度に強く、日本の真冬の暖房を効かせた室内の極端な低湿度は、文鳥にとって不自然になる程度で、適応力はかなり大きいと考えて良いかと思う。
 このように考えると、文鳥という生き物は、実に日本の室内環境に適していると思われる。基本的には、飼い主自身が不快感を感じない環境なら問題なしと考えて良いので、感覚的に分かりやすいのではなかろうか。・・・にしても、35℃を超える真夏の真昼に、運動させるような、高野連のような非常識な真似をする人もいるので、何とも困ったものではある。

コメント

タイトルとURLをコピーしました