さらに鳥の神社

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親子3羽(いかな江戸の文鳥マニアでもこのような後姿を見たことはあるまい)

 子安の烏巣之森稲荷大明神だけを取り上げるのもおかしいので、他の鳥系動物病院でも探してみた。
 まず、日本最初の小鳥の病院が所在する東京大田区の田園調布5丁目町内には、鳩が神使いの八幡社(田園調布八幡神社)がある。小鳥診療では定評のある獣医さんが開業する世田谷の豪徳寺には、名前だけは鳥に縁のありそうな松羽稲荷神社がある。同様の動物病院がある柏にも、酉の市を行うらしい香取神社があり、また、浦和の動物病院がある岸町の調神社は、ウサギの神社として有名だ。「ウサギは関係ないだろ!」とツッコミが入りそうだが、こじつけの世界に、それは甘い!ウサギは生物学的には鳥類ではないが、『羽』と数えるので、文化的には鳥なのである!!
 ・・・といった具合に、いくらでもどうとでもなってしまうのだ。意識したい縁は、一所懸命に探すので、結構見いだせるものなのだ(そういうのをきっかけにして、自分に縁のある地域の歴史に興味を持つのは良いことだと思う)。
 こじつけにしても極めつけと言えるのが、我が家の文鳥たちがお世話になった動物病院の所在する、横浜市南区真金町だろう。そこには大鷲(おおとり)神社が鎮座し、年末に酉の市が行われるばかりか、その祭神が、天之鳥船命(鳥之石楠船神【とりのいわくすふねのかみ】)なのだ!ずいぶんとレアな神様で、精神世界の話が好きなタイプの鳥の飼い主の魂を鷲掴みにするであろうお名前ではなかろうか?個人的には、日常的に前を通っており(横浜橋商店街の横)、酉の市にも何度も行ったが、白状すると、そのような名前の神様をお祀りしているとは露知らなかった(・・・見たような気はするが気にしなかった)。引っ越してから数ヶ月経って気づくとは、これぞまさに、後の祭りだ。

 同じ失敗をしないように、家の周辺の神社仏閣に鳥との縁を探したのだが・・・、近くに小鳥神社とか雀神社とかいったわかりやすい名前の神社はなかった(「そんな神社あるもんか!」と思う人もいそうだが、どちらも実在するぞ!!)。天之鳥船命のような、お名前の神様を祭神とする神社も見当たらない。文鳥愛好者にとっては、ウソと文鳥の姿が重なる天神系の神社が狙い目で、亀戸天満宮の鷽鈴のように、文鳥にしか見えない縁起物が期待されるのだが、そういった神社もなかった。少々がっかりである(近くの小社は熊野三社なので、カラスは同じスズメ目だ、と言い張ることは出来るが、無人の小社なので、鳥つながりで地名の鳩を押し出す鳩ヶ谷の氷川神社に初詣に行った)。
 なお、2008年の10月に紹介した東京都台東区小野照崎神社の絵馬は、最近行かれた方の記事などを読むと、はっきりと『文鳥絵馬』として「授与」されている。こうなれば、確かに文鳥神社と呼んでも良いかと思う。ところで、こちらの神社の祭神は、菅原道真より賢かったのではないかと個人的には思っている小野篁だが(菅原道真はオマケの位置づけ)、残念なことに、鳥と深い因縁があるといった話は聞かない。したがって、ウソと嘘もつけず筆の上に乗せて『文』繋がりとしたのだろうか。やはり、亀戸にしろ下谷にせよ、江戸の下町で、強力に文鳥をプッシュした人がいたとしか思えない。いつか史料をひっくり返して探し当てたい。

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