春の大きな木見物

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食べ物のためなら手に乗るミョー

 しつこく昨日の話。
 「烏巣之森稲荷大明神」をgoogleの検索窓にコピペして調べると、2011年7月にその地を紹介されている方のブログがヒットする。そして、霊能者さんに教えていただいた院長先生が、昨年2012年末に参拝されている記事が続く。従って、院長先生は、地図に載っていない神社の存在を告げた霊能者に驚かれているが、それはどうかな、と第三者は思わざる得なくなってしまう。人間の記憶というのは不確かなもので、その霊能者さん自身も忘れているのだろうが、2011年の段階でブログで紹介されている以上、どこかで目に触れていたか耳にしていたとも考えられる。
 別に「霊能者」を非難するつもりはない。それを求める人もいるし、それで心の安らぎを得られるなら、結構な話だ。ただ、霊能者やシャーマンとは、情報収集力に優れていて、収集した事実を忘れることが出来る、感受性豊かな人だという、歴史的客観的事実があるだけで、個別のご託宣が霊的なものか、下調べしていた結果なのか、感知するところでもなければ、はっきり言えばどちらで良い(どちらにせよ、望む人の役に立てば良い)。こうしたことを言っている人間に、頼みもしないのに、「守護霊が~」とか「生まれ変わりが~」とか、言って寄越す人がいれば、情報収集力がないので霊能者ではない、ことになる。へ理屈とは恐ろしい。
 なお、鎌倉の鶴岡八幡宮は、当然ながら鳥に縁がある。名前は鶴だし、額を見れば八の字はハトの対面した姿だ。従って、『鳩サブレ』が名物になるのだが、そういった小学生でも知っているようなことは、豊島屋のサイトにいけば確かめられるはずだ。大イチョウを枯らしてしまった鶴岡八幡宮に限らず(かなり身近に感じていただけに、個人的にまだ神社側の不注意に釈然としてない)、八幡大菩薩様の神使は鳩なので、八幡宮では鳩を飼育しているというか餌付けされているところが多かった(最近はドバト公害が起きるので、控えることも多いかもしれない。かわりに文鳥を飼えば・・・。)。
 なお、天神様の神使は昨日も少し出てきた鷽(ウソ)で、この小鳥は、通常留鳥ではないためか、江戸の庶民にはなじみが薄かったようで、神事の際の小道具やお守りの姿は、文鳥をモデルにしたに相違ないものになっている(五條天神社の神事案内。九州の大宰府天満宮系は猛禽類的な姿)。江戸の化成年間頃には、文鳥の飼育は一般的になっているので、おそらく配色が似ている文鳥を鷽だとウソをついた文化人がいたと、私は類推している(言いそうな奴がいくらでもいる時代だ)。
 さらに、カラスと言えば八咫烏で、これは熊野の権現様の神使のはずだが、カラスを飼っている人は、まずいないどころか、飼い鳥にとっては厄介な存在でもあるので、果たして愛鳥家の崇めるべき対象と見なせるか、微妙かもしれない。カラスは賢いし、よく見れば目付きはかわいいし、飼鳥化しないのは、不思議だが(番犬ならぬ番鳥になると思うのだ)、やはりイメージが悪いのだろう。
 神様ではなく仏様で鳥に縁があると言えば、やはり孔雀明王様か。密教なら口から火を吹く金翅鳥(こんじちょう)というのがいるようだが、そこまでいくと、怪獣じみてくるので、孔雀に乗った仏様の方がファンタジックで惹かれるものがある。孔雀明王の呪文(真言)が「オン・マユラ・キランディーソワカ」と短くて覚えやすいので、愛鳥家が信仰するには手頃ではある。

 以上は長いだけのどうでも良い話で、前々から行ってみたかった近所のお寺を見てきた話をしたかったのだ。真乗院という真言宗のお寺だ。なぜ行こうと思っていたかと言えば、たんに、大きな木があるからだ。なぜ、直線距離なら一番近いお寺に、今まで行かなかったかと言えば、高速道路が交差して入り組んでおり、引越し前後に何度か迷ったことがあるので、そちらに近づきたくなかったのと、やはりたんに寒かったからだ。
 賽銭投げて帰ってきただけで長居はしなかったが、確かに近づくとちょっとびっくりする大きさ(むしろ太さ)の樹木たちであった。500年、800年。大したものである。ちょうど彼岸の法要らしくお経が朗々と流れ良い雰囲気だったが、あいにく陰々滅々の曇天ではなく抜けた晴天の真昼間なので、何だかあっけらかんとした感じであった。この辺りは、開発が抑制的というか未開の要素があるというか、ぼんやり見上げるとずいぶん大きな木に遭遇しビックリするが、この境内の巨木たちは、さすがに手入れされていて、居住いが上品な感じがした。末永く、存在していただきたい。
 せっかくなので、昔の日光御成街道、国道122号線(岩槻街道)を南下し、新井宿駅のパン屋さんhoppe・hoppeで買い物をし、遠回りしてグリーンセンター横の見沼代用水で5分咲きの桜並木を眺めつつ、自転車でのんびり帰った。このパン屋さんのパンは、佇まいは庶民的だが、とても良い材料を使用している感じでうまい(今日はチーズフランスがあった。しかも試食まで出来た)。ただ、一個一個が小さくて値段が高いのが玉に瑕だ。

 文鳥たちは、今日も変わりなく健やかであった。

川口市石神真乗院

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