絵に「文鳥アタック」を繰り返すイト
一昨年の5月に、不調のハルを動物病院に連れて行き、お腹に墨の楕円模様をのぞき見して、胆のう腫だと早合点したことを、完全に忘れていた(2011年5月13日)。記憶力の欠如した者には、日記(ブログ)は実にありがたいものだ。
そう、あの時は回復し、一週間後には胆のう腫のようなシミも消え、獣医さんからは打ち身による内出血の可能性を指摘されたのであった。断っておくが、獣医さんは名医である。少なくとも文鳥の類の臨床経験では、比類がないレベルの方なので、胆のう腫ではなかった症例もおそらくいろいろ診ていて、そういった可能性を感じたのであり、そういった臨床例に遭遇していない獣医さんなら、胆のう腫と即断してもおかしくないと思われる。
つまり、当時は胆のう腫との誤診は、結構ありふれているのかもしれない、と私は思ったのだが、今回のハルのお腹を見ると、胆のう腫というのは、隠れることがあるのではないかと思えてくる。それが、たんに胆管が一時的に詰まったのが改善するものか、結核菌のように、症状に出なくても潜伏し、突然再発するものか、たんなる素人の思いつきだが、無いとは言えないように思える。
文鳥の胆のう腫は不治の病で、おそらく症例を多く扱い解剖なども行って病理研究に努める人がいない、むしろそういった症例を集め得る環境がないので(文鳥の飼育数は昔に比べれば桁違いに少ない)、原因究明と治療法の確立は、なかなか望み得ないのだろうと思う。原因も治療法もわからなくとも、対処療法を行い、症状を緩和したいと考える人もいるはずだが、それが通院や投薬による文鳥への負担に見合うほどの価値があるかは、人それぞれだろう。
私の場合、獣医さんには、病気で苦しんでいる文鳥を治してもらいたくて行くので、治せないと判断すれば行かないし、その文鳥が、治療に耐えられない個性なり年齢だと思えば行かない。これだけ割り切れるなら気が楽になるし、多くの文鳥を飼育する場合、こうした心構えでないと、おそらく疲労困憊してしまうかと思う。獣医さんたちが通院や治療を薦めるのは立場上当然だが、別にそれに従う必要などどこにもない。疲労困憊して文鳥と一緒に暮らすことを楽しめなくなっては、本末転倒で、そもそも従っても従わなくても、幸不幸はあり、そうした体験を踏まえて冷静に考えれば、大概は、このあたりの考え方に落ち着くのではないかと思う。
ハル自身は前回のように食欲が減退し痩せるようなことはなく、湯漬エサを一所懸命食べ、まぁ、のんびりとしている。どうなるにせよ、これはこれで良しとする。
そのハルのひ孫のイトは、なぜか文鳥の絵(リトグラフ)にアタックを繰り返していた。意味不明の行動だが、やめていただきたいと願っている。
そして、そのイトが、初フライトを果たした孵化26日目を迎えたソウ・テイ・ガイ3羽。昨日までとはガラッと変わって、活発に動き回り、羽ばたき運動を繰り返すようになった。明日には、飛ぶ可能性がかなりありそうだ。変な方向に飛ばないように気をつけたい。
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