卵査察を実施したところ、感心にも抱卵していると思われたポンが、ツボ巣を離れない。手を入れてもどかないので、ようやく異常に気づき、引っ張り出そうとしたものの、脚が抜けない。
ツボ巣ごと取り出して見れば、ツボ巣の底の糸に右脚が絡まっていた。そこで糸を切って救出し、複雑に絡まった糸を解いた。しかし、3本の指はすべて変色して干からびた状態となっているので、行動の邪魔にならないように、これも切断した(痛そうな写真になるので、末尾に)。
「文鳥歴」という話をしたばかりだが、ツボ巣の糸が脚に絡まること自体、数年に一度の稀有な事故だ。1羽ではなく20数羽いるのだから、よほど珍しいと言える(単純に考えれば、10羽飼育で5年に1度のことなら、1羽飼育で50年に1度の確率になる)。それが、ツボ巣の中の底で起きたことは初めてで、なおかつ、ポンという文鳥のキャラクターが、こういった場合静かにしているというものだったため、抱卵と間違えてしまい、発見が遅れに遅れることになってしまった。
何であれ、飼い主のミスである。
おそらく2日ほど飲まず食わずのポンは、自分では食べられないくらい危険な状態となっていた。とりあえず、ハチミツ水を飲ませ手の中で安静にしていたが、しばらくすると自力で水浴び器に這い寄って行き、水に浸かりつつ、繰り返し飲んだ。そのまま、眠ろうとするので捕獲し、手の中で安静にし、ハチミツ水にパウダーフードを混ぜたものを、シリンジでクチバシの横に垂らすようにして与えた。
ずいぶんと飲み込んでくれたので、何とか体力的には持ってくれて、明日には食欲が出てくれることを期待し、夜9時にツボ巣に戻した。
いろいろ反省しつつ、片脚の生活に注意していきたい。
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