放心状態のキュー様
お腹が空いたので、気になっていたパン屋さん『パンピジョン』に行った。ピジョン=鳩、自転車で15分ほどの鳩ケ谷駅近くにあるお店だが、クリームパンなどが有名らしい。
午後2時前という半端な時間だったので、かなりのパンが売り切れ状態だったが、チーズフランスはあった。その他、お土産用のあんパンや焼きたてでうまそうなクリーム入りクロワッサンなどを買い、急いで帰る。
うまかった。四角い大きなチーズが目立つフランスパンも悪くなかったが、クロワッサンの方は絶品であった。あんパンのはみ出さんばかりのあんこも、とても美味しいとのことだったので、このお店のパン職人は、洋風も和風も甘味を極めているに相違ない。
私基準では、味は美味すぎず人気はあり過ぎずを最良とするので、お腹がすいた変な時間に、余りものを拾いに行く位置づけになるが、他人には大いに薦めたい。
それで、キュー様である。
いつものように、放鳥開始時にお迎えにあがると、ツボ巣から顔を出して威嚇するばかりで指に乗ろうとしない。やむを得ず、ケコをつかんで出す(カゴを開けても出てこず、つかまれるのを待っている)などした後、再びお迎えに参上したが、反応は同様で威嚇を繰り返す。
何が気に障ったのかは知らないが、面倒なので放っておいたら、5分ほどして、背後の扉にものが当たる音がした。慌てて救出に行ったら、案外に平気な顔をしたキュー様が、床をノコノコ歩いてやって来て、差し出した指に平然としてお乗りになった。目を回さなかったとは珍しい、と安堵しつつ、テーブルの上に運んだところ、そこで安心したのか、キュー様は写真のような放心状態になってしまった。
これが、いわゆる「文鳥のてんかん様発作」の症状だが、『てんかん』と言うよりパニック障害に近いことが多いようで、何らかのショックを契機に発作を起こし、同じようなショックに対して習慣的に発作を起こすようになってしまう。キュー様の場合は、落下のショックが引き金になるわけだ。
こうした症状を初めて体験すると、慌てふためき、何かしようとして、最悪の場合、水などを飲ませようとして気管に詰まらせ、生命の危険に及ぶこともある。放っておけば数分で元に戻るので、十分留意しておかねばならない。
わかっていても、飼い主は毎回肝を冷やすことになるので、ご自身でもご注意いただきたいのだが、キュー様の方は、放心状態になったところで痛くも痒くもないためか、まったく懲りず、平気でダイブする。困ったものである。
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