人語を解さない文鳥

慣れきらない文鳥(サク)
文鳥社会では違和感がないものの

 手乗り文鳥は、実はかなり飼い主の言葉を理解している。理解しているとしか思えないのに、無視することさえある。これは、飼育というより一緒に遊んで、じっくりとその顔付き目付き挙措を注意してみなければ、わかるまい(飼っていない人に同意を求めても無駄)。わかるくらいに親しくなると、「小鳥のくせに、なぜに・・・」と疑問になり、さらにキュー様のような天才に出会うと、薄気味悪い思いさえするかもしれない。片手に収まる25gの被捕食生物が、摩訶不思議なのである。
 その点、非手乗りで外部からやって来た文鳥は、単純と言えるかもしれない。ただ、単純とは言え、徐々に環境に適応し、鈍い頭でいろいろ考えているのが伺えて面白いのは、自分で育てた天才児の観察と同様だと思う。
 そう、サクだ。この文鳥、おそらく3年ほど薄暗い禽舎で「年季奉公」をしていたためか、きわめて頭が鈍くなっている。何しろ、未だにカゴから出て来られない。出たいのだが、出入口が理解できない。それでも、飼い主が手を突っ込んで底網の掃除を始めた際に、逃げ回ってたまたま外に出られてから、掃除を始めるとわざと暴れるようになった。仕方がないので、出入口の方へ追い立ててやっているうち、最近はコツがつかめたらしく、わりに早く出入口のエサ入れのフタの辺りに行くようになっている。おそろしくゆっくりだが、確かに進歩はしているのだ。
 今後どれほど進歩してくれるのか、楽しみではある。

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