オンボロロなシンさん
宇田川竜男教授の『やさしい小鳥の飼い方』については、「まったくわからないのがブンチョウ」とされていて、少々ムカっとした記憶があるだけで(2007年6月30日)、批判的に内容を検証する気もなかったが・・・、それにしても、換羽についての見解はひどいなぁ・・・。現代の家庭で家族同然に飼育する人たちには、注意を要するものと思える(肩書きは無意味)。
我が家のシンさんは、激しく換羽中だが、この状態は、脱毛状態なのか、発毛状態になっているのか、もしこういった飼育書を真に受けたら、悩んでしまうのではなかろうか?細かいことを気にしないおおらかな時代の話や、そうした時代から頭の中身が変わっていない人の発言や、今の我々とは違う飼育スタイルで飼っている人の意見は、『聞き置く』だけが無難なところかと思う。
何となく専門家的な自負を持っている人は、自分の見解に自信満々になるものだが、かなりの危険をはらんでいることが多い。独善と言うか、思い込みと言うか、客観的に見て、困ってしまうことがある。
例えば、昔の『畜産全書』で、静岡県の文鳥生産農家さんが、「(自然環境が適しているので)飼育期間が短く、他の地区と比較して5~7日早い。ふつう平均20日飼育で出荷するが、ここでは12~15日齢で出荷できる」とされているのだが、これは野菜のハウス栽培か何かと混同しているだけで、全くおかしな主張と言わねばならない。なぜなら、温暖であろうと何であろうと、それなりに栄養を摂取していれば、文鳥のヒナの成長過程に違いはないのが真実だからである。日照が多ければ生育も早い植物とは違う。では、お尋ねするが、たくさん食べさせれば、人間の3歳児は5歳児並みの体格になるだろうか?
つまり、他地域では控えているより幼い段階のヒナを、出荷してしまっているだけなのだが、その出荷している事実を、成長が早いからと思い込み、それが自分たちの環境と努力の賜物、といったように確証バイアスを積み上げているようにしか思えなくなる。そのように受け取ってしまえば、自信満々の発言に、心底うんざりするはずだ。
こういった批判的なモノの受け取り方は、「人が悪い」行いの面もあるので、万人には勧められないが、即座に信じ込むことだけは避けて欲しいと思う。
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