サカの前歴は?

指をかじる文鳥(サカ)
指はかじる物と見なしているサカ

 サカ、タネ、ともに変わりなし。
 タネはごく普通の非手乗り文鳥の態度だが、やはり謎なのはサカだ。人の姿を見ると喜んでそわそわし、指を入れると「今まで何してたんだ!」とガジガジかじった後に飽きることなく甘噛みを続ける。これは、手乗りも手乗り、ベタベタに飼い主に可愛がられて育った文鳥の態度のはずだ。指をかじらせつつよくよく見れば、伸びかかった爪の先端は直線となっており、人為的に切られていると考えられる。そして、左の鼻の穴の周囲に傷ついて陥没している。
 はて?真相は闇の中だが、いろいろ想像したくなる。「ピィピョ~ョョョヨォ~、ピィピョ~!(語尾上げ、さえずるたびに少しずつ異なる)」などとさえずるこの文鳥。一般家庭からの引き取りの可能性が高いのではなかろうか。何らかの事情で飼えなくなって、ペットショップに譲ったのか売ったのか置き去りにしたのか・・・、しかしそれなら、店側がオスメス取り違えることはあるまい・・・。では、繁殖家が知人か何かから譲られた「彼」に、若メスを付けてペアとしてペットショップに売り渡したか・・・。
 小規模な小鳥の繁殖家は、半ば以上趣味の鳥好き、昔の自称で言うなら『鳥キチ』で(鳥キチガイの略なので、差別語と言えるのだが、多彩な小鳥を飼育するという江戸時代以来連綿と続く伝統的な趣味人たちは、むしろ平然と自称していたと認識している)、こういう人たちは、いろいろな種類を飼って繁殖したがる傾向にあり、文鳥なら文鳥と一種類を極める人の方が少ないかと思える。そうした繁殖家は何らかの飼鳥団体に所属しているかもしれず、繁殖はあまり行わない愛鳥家の知り合いもいるだろうから、その仲間内で引き取るようなこともあるかもしれない。
 そこで、周囲にいろいろな小鳥がいる一般家庭的な環境で、手乗りとして飼育された文鳥と、それなりの規模を持つ繁殖家の禽舎内で、親鳥に育てられた文鳥が、一緒になる機会が生まれ、そして、慣れないペットショップにやってきたら・・・。非手乗りの方が早く順応し、おどおどしている「変なの」の、鼻周辺のクチバシをつつきのめした、ことは大いに有り得るのではなかろうか。

 以上はたんなる憶測だが、何にしろ、伝統的な『鳥キチ』ではないが、「文(鳥)キチ」の一種には相違ない者としては、ラッキー!ということになる。毎晩ブンブン遊ぶのだから、手乗りの方が良いに決まっている。かくなっては、ペアにした際の相性など二の次で、放鳥の際にサカがどういった態度をとるのか楽しみだ。明日一日様子を見、あさっての朝から「文鳥団地」に移そうと思う。

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