福島県須賀川市の伝統行事「松明あかし」に使用する地元産のカヤから、84Bq/kgという超微量のセシウムが検出されたため、他地域からのカヤを求めることにしたそうです(河北新報)。
何をしているのでしょう・・・。わざわざ風評被害を広めたいのでしょうか・・・。京都の二の舞。困ったものです(被災県ですので批判はこの程度で自粛)。
私を驚かせたのは、むしろ須賀川市のカヤが、セシウムを84Bq/kgしか含んでいなかった点です。中通り地方の当市は、県内でもセシウム汚染が心配される地域ですから、食品基準よりはるかに下、飲料水の基準200Bq/kg(リットル)以下、日本でも子供が飲んでも良いとされる100Bqにも満たない数値は、むしろ驚きに値すると思えたのです。
お米は500Bq以上にしないため5000Bq以上のセシウムに土壌汚染された水田では作付けしないようにしましたから、イネ科の実には最大で土壌の10パーセント入り込む可能性があるものと理解しています。そして、一時の乾燥稲ワラ騒動から、イネ科の植物の乾燥した茎などに吸着しやすい性質があることも学習しましたから、何となくカヤのような植物も、セシウムを吸収するのだろうと思っていたわけです。この認識は、現実と異なっているようです。
専門家に、だいたいそのくらいが「普通」と言われたらそれまでですが、門外漢は、須賀川市内でもカヤの生育場所の汚染は低かったのか、それともイネ科は生育時にセシウムを取り込みにくいのか・・・。その手の分野の研究者なら、研究課題がたくさんあるな、と少し不謹慎ながら、考えたところです。
【追記】
茅(カヤ)と呼ばれる植物は、茅葺き屋根に使われるように、水をはじく性質を持っていて、水を吸収しやすい稲ワラとは異なるようです。つまり、刈り取った後に屋外に放置しても、ワラのようにセシウムを吸収することはないと考えられるかもしれません。
須賀川市の土壌のセシウム濃度は、福島県農林水産部の行なった4月の測定で(PDF)、同市矢沢で2203Bq/kgとなっており、白米にした段階で220Bq/kg未満なら想定内ということになるかと思います。実際はそれほど吸収されないと思われ(早場米の検査状況からの推測)、また実よりも茎部分の濃度は薄いように思われるので、84Bq/kgは、妥当な数値なのかもしれません。
なお、お米に対する風評被害は深刻になると予想され(毎日新聞)、最悪の事態を想定したような500Bq/kgというゆるい基準は不信感の温床ともなっているようなので、より厳しくして(例えば100Bqにして100~500は政府買い上げにする)、しっかり国民に説明の上理解を求めた方が良いかもしれません。
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