時事ネタ最後は「やっぱり自販機はいらない!」2

 なお、俳優さんでもう一人気がかりな人物がいるので、付け加えておきたい。
 山本太郎さんは、脱原発だか反原発だかの発言や行動を繰り返し、俳優としての仕事の機会を小さくしてしまっているらしく、『新選組!』での原田左之助役が似合っていたと感じていた者としては、残念に思っているのである。
 おそらく一般的な日本人の圧倒的過半数は、脱原発を望んでいるはずで、このようなものは争点になるはずがない。そして、電力会社は、今後、電気料金の値上げ幅を大きくすることが難しい中、巨額の賠償を抱え、今までのように、本来は水道局員と変わらない立場にも関わらず、何を血迷ったのか「タニマチ」然としてマスコミやら教育界に金をバラマキ、経産省と癒着してのさばっていたようなことは出来るはずがない。金の切れ目は縁の切れ目どころか、あっさりきっかり即刻切れるのが世の常なので、彼が騒ぎ立て過ぎ去りし日の批判など大した意味をなさないように思える。つまり、彼氏は、非難するまでもなく、もはや木っ端微塵に消えてなくなるに決まっている旧体制を否定して、活躍の機会を失ってしまっているのではなかろうか。、
 そのような人間を煽り立て利用しようとする動きもあるだろう。今現在、平和活動と脱原発を混同させようとする動きは、実に胡散臭い。これは脱原発の願いを、非現実的で無意味な念仏に変えてしまう危険性を持っているのではなかろうか。原発は「核の平和利用」などとされていたが、少なくともそれの従事者は犯罪者ではありえない。大量破壊を目的にした爆弾を作って使用する原子力爆弾と、人々の平和な日常生活に寄与していた原子力発電所は、まるで別次元の存在なのである。 大量破壊兵器を無くすなり使わないように努力するのは、平和にむけた活動と言えようし、大いに頑張って頂ければと思うが、原発推進の立場をとったところで、平和を乱しているとの烙印を押せる理屈などどこにもないので、誤解すべきではないし、妙なレッテル貼りは論理性の破滅以外ではない。反原発が正義のように思っているお調子者が出るのは仕方がないが、教条的な反原発運動により、万々一の事故の際の準備がお粗末になったのも、一端の真実であり(「危険があるなら原発は使用するな!」「事故の際の準備をするのは、事故が起きる可能性があるからだ!」などと喚くので、「事故は起きません。絶対安全です」などと『安全神話』を作り上げることになった。おかげで、危険が少しでも減るようにするための指摘をも看過され、今回の事態に陥ったと言える)、我が世の春のように勢いづかれても白むばかりである。
 この間、忌野清志郎さんなどの反原発ソングを、何やら先見性のある警句のように持ち上げている人もいたが、あんなもの寝言である。キヨシローという人間は何となくその佇まいが個人的に好きだったが、ロックの歌詞など寝言であり、ほぼ無意味であり、ロック歌手などろくでなしが多いことくらい、当の本人たちすら自覚していたはずである(ジョン=レノンは妻のオノさんのプロデュースで平和を歌う詩人の扱いが付与されたが、本来、便所で用を足すのと同じに歌を作るだけで、意味などないと、「この歌は僕のことを書いている!」と言ってきたベトナム帰還兵の若者に答えたはずである)。寝言を教祖のご託宣として扱えば、照れくさそうに笑うか迷惑がるかで、図に乗るような者はむしろ少ないだろう(彼らは本来的には自分が気持ちよくなるために、黙々と曲を作りガチャガチャと奏でてギャーギャー歌う者であって、演説し群衆を啓蒙感化するのを目的にする者ではない)。歌詞に勝手な意味づけをするなど如何なものであろうか。言いたいことがあるなら、他人の歌に意味付などしないで、堂々と論じたら良いのだ。

 常識はずれなことに、以上は前振りなのである。本題の方がずっと短い。
 そのフジサンケイグループの雑誌(SPA!)は、節電ムードに否定的で、自販機が問題にならないような記事を書いている。

都知事が騒ぐほど自販機は電気を食うのか? | 日刊SPA!
―トホホ白書【2】―石原都知事に「ムダな電力」と一方的に批判された自販機も節電真っ最中。全国清涼飲料工業会によると、「今夏の東京電力管内における最大使用電力を前年比25%以上削減する…

 せっかくの記事なので、全国にざっと250万台ある自販機が、すべて最新鋭で、電飾もつけずに時間あたり300Wの消費電力で稼働しているとして考えよう。単純に250万台で掛けたら75000億Wで、75万kWになるはず。この消費電力を大きいと見るか小さいと見るかはそれぞれだが、75万kWはだいたい原子力発電所の1炉分くらいで、「都知事が騒ぐほど」かは知らねど、私の感覚はこの雑誌の記者君とまるで反対に、この数値を大き過ぎると見る。自販機を存続させるために、原発一つを稼働させねばならないほどの価値があるか、読者諸氏にアンケートでもお取りになってはいかがであろうか?
 存続させる理由も、付け焼刃でいただけない。夜道?街灯をつければ良い。道を照らすために、冷却装置は必要ない。ずっと節電できて明るいし無駄にならないことは、赤ん坊でもわかるだろう。冷たい飲み物の入手?、コンビニでもス-パーでも行って、好きなだけ買いたまえ。水筒持参もトレンドだし、逆に簡単に自販機で手に入ると習慣づいてしまっていると、偶然何もないところで熱中症に倒れるケースが見られるのだが、そういったことを理解しているであろうか。特に暑い時期は自販機に頼らず、飲み物を持参する習慣を身に付けた方が身のためかと思える。
 この間、自販機業界の努力は涙ぐましく、敬意を表するべきものがあった。値引きをして客足を止めようとする努力も散見された(120円が100円に!しかも500ミリリットルで!みたいなものが)。しかし、脱原発の流れが決定的になり、近々の供給量の増大が見込めない現在、もはや現状の維持も望むべくもなく、早々に業界の縮小を視野に戦略を練り直した方が良いだろう。残念ながら、電力が足りないのに、道端の冷蔵庫を放置して置くというのは、土台無理な話なのである。

 さてと、長々となって酔いも醒めてしまったので、震災5ヶ月での暴発は、この程度でやめておこう。

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