白キンカは月の化身、桜文鳥は太陽の化身なのだ
「日本サッカー協会、マークの由来は「八咫烏」だけでなく中国古典も 教科書に修正要請」などという記事があって、日本サッカー協会の人たちが、官僚的にごく真面目なのがわかって、おもしろかった。
『日本書紀』は八咫烏(やたがらす)を三本脚としていない?それを言うなら、二本脚とも書いていない。従って、中国の古典に精通している熊野神宮の頭の良い坊さんが(神仏未分離の時代)、太陽の化身たる(太陽の黒点を表現したとも言われる)三足烏と合体させて、信仰の対象とするのはごく自然な発想で、そのように習合して生まれた信仰の対象のさらなる由来など、学者が考えれば良いことだ。「八咫烏様ありがたや南無南無」と信仰しているのに、それの由来は中国なのだ、などとする必要があるだろうか?
熊野の八咫烏が三本脚なら、月の白兎、太陽の三足烏は常識なので、太陽をボールに見立てて蹴っ飛ばすような図案が思いつくのは、当然の帰結の明快さであり、後世の無学な我々が、『淮南子』などの中国古典に由来を求める必要などないのである。逆に、日本を象徴する日の丸から太陽の化身たる三足烏を連想し、その姿を熊野の八咫烏に求めたのかもしれないが、その場合もモチーフはすでにあった八咫烏以外にはないので、その八咫烏の由来を探す必要などない。
つまり、中国に由来するような説明は余計である。ややこしくなるだけなので、この際、日本サッカー協会は育鵬社にならって、無学な我々が「日本代表のエンブレムが中国由来なんてぇ~」などと幻滅?しないように、簡潔明瞭な認識に戻すべきだろう(産経の論説副委員長川瀬さんによれば、三足烏は昭和40年代に付け加えられたものらしい)。
そう言えば、手塚治虫の『火の鳥』に、大友皇子が射落とした鳥に脚が3本あって、不吉なものと恐れられるというシーンがあった。何か出典はあるのだろうか?奇形を不吉と見なす考え方より、神の御業と崇める方が素直なように思える。
白キンカのカミィは、コロコロおばさんのカゴより文鳥ヒナに囲まれるのが好きだ。
後ほど、20代目たちを引き継ぐので、世話役になってもらおうと思う。
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