「髪結いの亭主」志望

不自由ながら気の強い文鳥(カナ)
カナに叱り飛ばされるマナツ

 換羽がほぼ終わり、もうすぐ満一歳のマナツは、最も姿の美しい時期になろうとしている。年がずっと上のミナと、数ヶ月下のクリにもて、実にいい気なものである。
 一方カナは、相変わらず身体不自由で、換羽を続けている。それでも、最近は調子が良いらしく、自主的にカゴから出てくる。自分で頭などをかけないため、帰す際に指でこすってやるが、ガサガサになっているためやり過ぎると出血してしまう。そこで、近頃は少々水をつけてから行うことにした。何となく、床屋の洗髪を思い出す。
 マナツ、近い将来に誰を伴侶にするかは不明ながら、いい気な「髪結いの亭主」になるつもりかもしれない。箱入り息子には困ったものだ。

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