粟穂を食べるクリ
粟穂については、何度かこのブログでも触れたような気がする。
結論としては、栄養的にはただの粟(アワ)以外の何物でもなく、生産国はほぼ間違いなく中華人民共和国であり、ほとんど選択肢はないということになる。
中国の農産品ははなはだ評判が悪い。しかし、粟のような雑穀は水稲耕作が難しい僻地で、まず間違いなく無農薬で栽培されているので、水稲や野菜や果樹栽培とは違うといった認識は必要だろう。さらに、良いも悪いも地理上の事実として隣国なので、輸送時間も短くて済むため、長距離を船便で運ぶことで懸念が強くなるポストハーベストの問題も比較的には小さくなる。つまり、国産が微々たる現状では、中国産の雑穀は安全面でも次善と見なすしかない存在だと思う。
すでに四半世紀は、鳥の餌となる雑穀の多くを中国産に頼っているはずだが、問題はその中国が急激に変化し、生産国から消費国となってきているため、今後同様の状態が続いてくれるかは、はなはだ怪しい。自国で消費するため輸出を規制する動きは、すでに顕著であり(数年前に穀物類の価格が大暴騰)、今後雑穀栽培から転作や僻地の農家の転業(都市への流入による過疎)がさらに進めば、雑穀の生産量が激減し、日本の小鳥のエサとして回ってくるか・・・、まして粟穂の状態で流通するか・・・。
小鳥のエサが安いという時代は、それほど長くは続かないかもしれない。・・・そうなると、それを食べる文鳥もそれなりに高価になるはずなので・・・、それはそれで良いかな、と個人的には思わないでもない。何年も生きる生き物は、何であっても数百円で買えるほど安くしてはいけなかったのではなかろうか。安ければ良いといった考え方を、消費者サイドも生産者サイドも、変わって欲しいと願うし、変わらざるを得ないだろうと思う。
さしあたって・・・、今秋の収穫となる、東北や北関東の穀物に対して、極端な敬遠をしないように、厳に心がけて欲しいものだ。産地を一箇所に限定せず、いろいろな地方のものを食べるのが正しいはずで、『小賢しく』産地の選り好みなどせず、今までどおり『普通』にすべきだが、昨年収穫の穀物にさえ風評被害が出ている現状を見ると、どうなることか・・・。
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