目標「知者は惑わず」

 統一地方選の期日前投票に行きました。
 神奈川県知事選、候補者3名、赤いおばさんと町長さんとアナウンサーですか・・・。横浜市民は神奈川県民であることを忘れているのが普通なのですが、それでも候補者の中からしっかり選ばないといけません。・・・「日曜朝のアレかょ」と考えた人は、一択になってしまうかと思うのですが・・・、アレでも知名度で知事になってしまうのですかねぇ。
 東京都知事選の方は多士済々のようですが、普通に考えれば、閣下と居酒屋さんとコメディアンの争いでしょうか。嫌われているどころか憎まれている政党の支持を受けた時点で、無党派の支持は呼び込めないでしょうし、東京の人はほとんどがご自分たちも出身はそうであるはずなのに、地方色を無闇に嫌うところがあるので、結局こちらも一択なのでしょう。まだまだ、閣下には、晩節を汚さぬように、任期中に人生の『黄昏』を迎えるようなことのないように祈りたいところです。

 はっきり言えば、個人的には地方選挙より、朝のNHKのお天気担当がカトーさんで無くなってしまったことの方が重大で、さらに、ニュース専門チャンネル『TBSニュースバード』で、原子力保安院の乱れない頭のおっちゃんや(ハーバード大卒で通産省の審議官というバリバリのエリートなのに、あ気安い雰囲気はただ者ではないですね。必ずや自虐ネタを決めてくれるものと期待しています)、何だか自信なさ気でしょぼくれ果ててしまっている東京電力の人たちの記者会見ばかりが流されているのも、大問題となっています。あのような会見は、一般視聴者が聞くだけの価値はないです。やめましょうよ。プロデューサー様?編成局長様?とにかく赤坂サカサカ・・・御殿のエライ人、景気対策のためにもお願いします。
 そろそろ、放射能で空騒ぎするのも、付け焼刃の自粛を続けるのにも、疲れてきたのではないでしょうか。どうせ庶民は不謹慎なものですよ。そして、その図太いあつかましさで、社会経済は成り立っているものです。とりあえず、買ってきたビール片手に花見でもしますか。それより、やたらと安い栃木産のイチゴ(1パック150円!もちろん3パック購入)でも食べますか。
 などと、前置きなく書くと、脳天気すぎると言われそうなので、やはり原発にも触れておきますか。

 今日『News week』の記事を読んで、まったくその通りだとうなずきました。
 「大災害は人間の本性をあらわにし、その強さを試す。一瞬にして日常が非日常に取って代わられたとき、人はどう振る舞うか。泰然と構えて冷静さを保ち、周囲に気配りを見せられるか──それとも、パニックに陥って取り乱し、自分のことだけを考えるのか。」
 泰然、どうすれば出来るでしょうか。前も触れましたが「知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は惑わず」のどれか一つでも心がけているか、もしくは何も考えないか、ではないでしょうか。孔子様的には「小人」となるでしょうが、何も考えていない庶民はすこぶる強いものです。「愚かな怠け者」は「愚かな働き者」よりも、よほど他人のためにも自分のためにもなる者なのだと、私は信じています。
 知・仁・勇の内なら知が一番求めやすいのではないでしょうか。しかし、何か事が起きてから慌ててそれを求めると、たいてい「愚かな働き者」になると思います。文鳥の飼育に関しても見かけるではありませんか。何も知らない初心者ほど、予備知識を持たずに慌てふためき、たまたますがった何者かを無批判に信じてしまい、それを信じない人をすべて「何も知らない」とか「考え方が古い」などと決めてかかるような人が。獣医師だとかペットショップの店員だとかベテラン飼い主だとか、そういった者が何か飼育に対して絶対的な権威をもっているように錯覚し、その人の意見をご託宣のように後生大事にするばかりか、それに反する意見は全否定する、無邪気ですけど愚かと言うしかないような人のことです。
 今回の放射能漏れについても同じような気がします。社会科大好き人間の私は、昔から、生活者の一般的なレベルでそれがどういうものか理解しているつもりなので、別に惑いません。専門家ではないので、専門的な知識など知りませんが(それでも臨界とか炉心溶融がどういったものかくらいは人文学的大まかさで知ってます)、それでも現在の事態など、想定内です。ほとんどファンタジーの世界でしかあり得ないような想定外の事態となっても、逃げ道などないので惑いませんが(首都圏の人間が逃げ出せるようなスペースはどこにも存在しない。みんな死ぬなら自分だけ生きようとは思わない)、福島第一原発が水素爆発を起こして建屋の屋根が吹き飛び、冷却機能が津波により完全に破綻していると聞いた時点で(この初動における認識不足が事態を悪化させた根本要因)、今日の姿はおぼろげに想定しています。
 別に私が特別なわけではなく、相当多くの人がそれくらいの想定は出来ていたはずです。なぜなら、専門知識の有無より、それが論理的帰結だからです。放射性物質は、この場合放射性降下物とした方が良いでしょうが、あの水素爆発で吹き飛んだのが四散して土壌を汚染したはずで、それは雨によって水道施設に集まらないはずがありません。したがって、主に露地野菜に放射性物質が一時的に多く含まれるのも当たり前なら、水道水に多く含まれたのも当たり前すぎるくらいに当たり前です。そして、それは今さらどうしようもなく、結果2、3倍と言われたら、「ああ、たったの2、3倍か」でしかありません。その後、ジャバジャバ水を掛けて炉心や燃料棒を冷やしているおかげで、放射性物質の空中への四散はほとんど防がれるでしょうし、また四散してしまったものは半減期を迎えてゼロに加速度的に近づきますから、水道水の汚染も減るはずで、実際減っています。
 「爆発的事象」が一時的なことであれば、汚染も一時的に過ぎないのが普通で、さらに放射性ヨウ素など成人には大して影響しないのはチェルノブイリで『人体実験』済みです。そして、内陸でヨウ素欠乏地帯であれば、放射性ヨウ素が甲状腺に集中しやすいでしょうが、日本のようにヨウ素を日常的に摂取していれば、放射性ヨウ素を取り入れる量はより限定的になる、という理屈も論理的なものですから(実験できるものではないはずなので、断定できる人はたぶんいないでしょうが、仮説として矛盾がないと思える)、大人であれば心配する方がおかしいはずです。
 そして現在、放射性物質を生み出す物騒な代物に、水をジャバジャバ掛けているのですから、その水を処理する余裕がない以上、海洋に流れ出るのも当たり前です。わかりきっている事なので、放水を行う指示と同時に、漁業への影響を考えて、補償なりの対処方針を考えて、漁協なりに動揺しないように根回ししておかなかったのなら、よほど間抜けとしか言いようがないですが、これは、必然的なことと言って良いです(最善はあふれる前にタンクに移すでしたが、時間的にも量的にも無理だったのでしょう)。
 最近風向きなどを気にしている人もいるようですが、これは今さら遅いでしょう。気にするなら水素爆発があってから、せいぜい数日程度のはずです。今は、汚染水を如何に上手に処理するか、汚染水を大量に出さないように、循環型の冷却機能を如何に早く起動できるか、のはずです。風など、どっちに向こうと大して違いはないと思います。

 こういった専門的ではないにせよ知識があれば、何も考えていない鈍感でたくましい人と同じように、外に出て花見も出来るというものです。
 「貯金通帳を持って1ヶ月遠くに逃げろ」などと発言する専門家まがいの教授もいるようですが(それはその方が「石橋を叩く」レベルで安全には違いないですが、そのような相手の人生に大影響を及ぼしかねないことを万人に薦められる感覚が不思議です。なお、通帳だけでは下ろせないのでハンコを。それよりキャッシュカードがお勧めでしょう)、この程度で職場を放棄したら経済基盤を失うことになる普通の人は、不安な情報より安心を得られる知識をしっかり持って、桜の花を見、被災地の酒造会社さんのお酒でも頂きながら、泰然としていたいものですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました