電力不足に陥った東京電力が、管内の使用者の『一部』をグループ分けして、輪番で3時間ずつ停電を実施しているが、当然予想されたとおりに、経済やその他さまざまな面に多大のマイナス効果を与えている。そしておそらく、「自分の町はしばしば停電するのに、隣町は停電しない」という事実に多くの人が気づくのも時間の問題で、停電させる地域とさせない地域がある理由を個別具体的に説明せず、停電により強制的に節電に協力させられている利用者への電気料金減免などの提示もないので、不公平感は募るばかりで、怨嗟の声が満ち溢れるだろう。と、私が東京電力の社員なら夜も眠れなくなる危険状態である。
電力会社は独占企業で競争がないため、利用者の視点が決定的に欠如しているのかもしれないが、今、身に降りかかる火の粉を払うため、そのような殿様商売では済まない。現状を正しく認識し、打開策を構築しなければならず、おそらく、本店の上層部も使ったことのない頭を働かせ、努力しているに相違ないが、我々一般人にはその努力が今のところまるで見えないので、私ならこうする、といった感じで勝手に素人考えをしてみる。
【方針】
計画停電は基本的にやめ、政府を動かし節電と電力使用の分散化を強力に押し進める。
ただグループ分けは維持し、緊急事態時には実行する(全部消えるよりはマシ)。
【具体的行動】
会社に対しては、可能な限り就業時間に柔軟性を持たせ通勤時間の拡散をはかり(=鉄道本数の抑制)、残業を禁止し一斉退社するようにし(退社時間は企業ごとにそれぞれ設定)、その時間もなるべく早めるように要請する(=夏季はサマータイムの導入を検討。夏季休暇の長期間化も課題)。
工場などに対しては、休日や夜間操業に可能な限り移行してもらう(経済団体・労働団体の協力を、担当大臣とともに強力に要請する)。
家庭に対しては、節電によって前年同月比30パーセント程度使用量が減った場合、電気料金が大幅に減免されるようにする(『ニンジン作戦』)。そのような制度を導入し、家庭内での自主停電(一定の時間ブレーカーを落とす)など、大幅に節電できる具体的な方法をピーアールする。
政府は、具体的な節電を薦めるCMを作成しどんどん流す。待機電力など屁みたいなものよりも、とりあえず夕方の電気炊飯器の利用抑制、使用時間帯の分散やガスの利用を薦めるなどが有効と思われる。
さて、東京電力管外の人は無関係と思われるでしょうが、はなはだ残念ながら東京への一極集中は事実です。その即時解消を望んでも現実性が薄く、この地域が混乱し停滞すれば、日本国そのものが今のようには立ち行かなくなるのは明白ですから、冷静に考えられるなら、他人事で済む日本の他地域や日本国民はありません。
地方の人には、何となく「東京コンプレックス」を持つ人がいるかもしれませんが、首都が特別なのは仕方がないことです。首都は国の顔で、そこがしっかりしていることが、その国の安定につながり、外国からの評価にもつながるからです。まして、東京の場合は経済の中心でもあります。したがって、1923年の関東大震災で東京も壊滅しましたし、1945年には度重なる空襲で焼け野原になりましたが、それでも遷都などされずに復興しました(当時より現在の方が一極集中化が進んでいる)。それは、東京が復興し安定することが、好悪は別にして、日本そのものを代表してしまうからでもあるのです。
日本は、どこでも大きな地震が起きる可能性を持つ国土で、活火山も多く、台風などの天災もあり、また原子力発電所も各地に漏れなく存在しています。「東京コンプレックス」の人であっても、他人事のようでまるで他人事では有り得ず、我が身我が地域に降りかかってきた時に、政治経済の中枢がしっかりしてくれているように、しばらく「生暖かく」でも見守ってもらいたいところです。
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