モミをかじるクリ
福島第一原発の問題が表面化した当初、東京から京都の実家に避難する家族の記事をネット上で見かけて、かなり不思議に思えた。
なぜなら、京都府には原子力発電所はないが、その北方若狭湾は「原発銀座」などと呼ばれているように、隣県に複数の原子力発電所が存在しており、それらから京都市中心部への直線距離は、200キロどころか100キロ未満に相違なかったはずだからだ。つまり、200キロ以上も離れた場所でうろたえるほどの『放射能過敏症』の人が、疎開する場所としては適さないのではなかろうか。
確かに、その人たちの脳内における「緊急」避難にはなるだろう。しかし、行った先が局地地震を起こさない保障などどこにも無く、とりあえず200キロ以上離れた東京にいるなら安全なので、無知に基づく妄想をやめて動かない方が労力の無駄遣いにならないようにも思える。
確かに私は理系ではないので、キッキキッキとはしゃぎながら決死の覚悟をしているどこぞの首相よりも(前に書いた。非常時に指導者が努力するのは当たり前で、それを自分で他人に言ったら無能だと)、原発の構造には疎いが(専門の技師に任せておけば良い話)、この際高校の社会科教師的に言うなら、騒ぐ前に、とりあえず地理の勉強をしっかりしなさい!である。
などと何やら生意気を言うばかりでは申し訳ないので、直線距離をネットで詳しく確認した。福島第一原発から東京都心までの直線距離は約227キロ。福井高浜原発でこのくらいの直線距離となると、・・・大阪・神戸どころか名古屋のさらにさらに先、東は浜松で約221キロ、西に行くなら四国は徳島を越え丸亀あたり、山陽は岡山をかるく越え、山陰は松江で約222キロだ。九州を無視するのもいけないので、佐賀県玄海原子力発電所を基点に考えるなら、鹿児島までが約218キロなので、ほぼ九州全域となる。・・・、このようにそれぞれの人の身近な地域に置き換えて考えるなら、どれほど、首都東京は事故現場から離れているかわかるのではなかろうか。つまり、今回の福島の件を東京で騒ぐのは少々おかしいのである。
さらに調子に乗って外国。アメリカ東部で考えるなら、ワシントン特別区からフィラデルフィアまでが200キロ足らず、ヨーロッパでは、イギリスのロンドンからフランスのダンケルクまででも約182キロに過ぎず、フランスのパリからブルージュ辺りで約197キロ、ドイツのベルリンからドレスデンまでは約165キロに過ぎない。中国では南京から上海が約270キロ、韓国ではソウルからチョンジュ(全州)までが約194キロだが、あの北朝鮮のピョンヤンまでが、約185キロに過ぎないことくらい、韓国の人ならみな知っているだろう。
このように自分がわかりやすい距離感覚で考えると、おのずと常識的な考え方が出来てくるような気がする。さて、地理、学生時代、さぼらず勉強しましたか?
で、クリ。
すでに、いろいろなものをかじり、食べ、差し餌はお愛想で1口、2口、といった状態になっている。そこで、今夜から育雛箱を卒業し、夜もカゴに戻すことにした。放鳥の終了後、つぼ巣の中に押し込んだが、特に苦情も無く静かにしていた。
明朝には、おなかが減って勝手にエサを食べ、かくして完全ひとりエサになってしまうだろう。いつもながら、寂しくも頼もしい。
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