巣材目的でいろいろクチバシにくっつけているケコ
昨日の資料写真のような状態になった時、それでもカメラを向ける余裕が持てるか否か。・・・実際は余裕など無かったのだが、脱出した卵管などを放置すると、乾燥して壊死してしまい、生命の危機に直結することになるので、これは可及的速やかに戻さなければならないといった前知識があると、やはりやらないわけにはいかなくなる。
つまり、選択肢は、何もせずあきらめるか、見たことすらない処置でも試みるか、しかなかった。元旦の夜間でも開いている動物病院も、探せば存在するだろうが、探して運んでいるうちに悪化するのは確実で、さらに連れて行った先に待っている獣医さんが箸にも棒にもかからない人物かも知れず(小鳥の治療について知識や経験のある獣医さんは希少)、私の場合は選択肢に入れないのだ。
こういった不測の事態は、誰にでも起こり得るものだ。そういった時に少しでも何か出来るように、知識だけでも持っておき、普段から爪切りくらい自分でして、せめて保定出来るようにしておいた方が、後悔も少なく出来るように思う。保定が出来れば、患部をしっかり見て、何がしかのことが出来るはずなのだ。何も出来ない人ほど慌てるばかりで、さらに事態を悪化させてしまうだろう。
今回の場合、卵管脱の処置を見たことがないので、私には「綿棒で押し込んだ」くらいの他人の経験談からの知識しかなく、あの大きな物体を綿棒でどうすれば戻せるのかとっさに見当がつかず、仕方がないので耳かき状の金具で脱出部の根元から少しずつ総排泄孔(お尻の穴)の周囲を回すように押し戻した。当然ながら、こんなことで大丈夫なのか自信がないので、翌朝は亡くなっていると思っていたのだが、文鳥の生命力と言うのは、実に大したものであった。
さて、ケコ。産卵障害にもならず順調に産卵を終えたようで、抱卵しようか悩んでいるようだ。時折飼い主の肩に止まり、「グチョグチョギチョギョギョギョ」とつぶやくのは、おそらく「お前、巣に戻って卵あっためろ!」の意と察せられるが、そのご命令には従えない。「勝手に産んだのだから勝手に育てろ!」と小声で無責任な男全開の発言をして無視する。
しばらくの間、ケコからの冷たい視線を甘受しなければなるまい。
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