セッちゃんは謎の鳥

​セツとマダラ​​

 セツという文鳥も不思議な子で、そもそもオスメスのペアとして仕入れた文鳥が、どちらもメスで、しかも1羽が、売って良いのか悩むほど小柄であった。その小柄が、なぜか人の姿を見るとカゴの前面に「文鳥キック」を繰り返すので、手乗り崩れではないかと思い、容姿も飼い主のタイプなので、「文鳥団地」の一員としたが、手にも腕にも肩にも頭にも乗らず、それでいて、捕まってなでられるのが好きという、何ともとらえどころのない態度で、それが最初から今までまったく変わらない。
 実に気だてが良く、その後ころころと丸くなって、よほどかわいくなった。そして、よく卵を産み、抱卵にも熱心だが、抱卵のため自分のカゴに帰る意識がゼロであった。これでは孵化しないのが当然だが、夏季にまとめて繁殖をしたため、放置された卵も冷え切らずに何羽も孵化し、ヒナも無事に育った。しかも、最初の子は有り得ないことにシルバーだったりする。
 ・・・「ころころセッちゃんかわいい」などと言っていて良いのか、異星からやってきた不思議鳥なのではないか、などと思わないでもないが、気にしないことにしよう。

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