床から飛び立つケコ
いつもより少し早起きし、ケコのカゴを『文鳥団地』に移した。続いて小松菜の用意をして、一部の文鳥たちを外に出し、餌の交換と小松菜の設置を行う。この間、新入りの可憐なごま塩文鳥に興味を持つ文鳥は現われなかった。
日中、ケコは隣カゴの様子を眺め、特にスミのダイブ水浴び(上段の止まり木から外掛け水浴び器に飛び込む行為を繰り返す)に関心を示したが、さすがに真似は出来ず、飲み水用の小さい容器で水浴びを済ませた。それでも、1羽の時には水浴びをしていないので、大きな進歩と言えそうだ。なお、色目を使うかと心配していたシンは、換羽後に自分好みの濃い桜文鳥になっているスミに満足しているのか、隣カゴに出現したケコにまるで関心を示さなかった。
午後の水交換の際にも、ケコに大きな関心を示す文鳥は現われない。キューとアトが少し近づいて横目で存在を確認している程度であった。下心のある飼い主は、肩に止まったノコリをケコの近くに誘うが、そのたびに「そんなの関係ねえ~!」とばかりに飛んでいってしまう・・・。
で、夜だ。すべてのカゴの開閉口を洗濯バサミで止め、ケコをつかみ出してテーブルの上に連れて行く。・・・直進派であった。たくさんの文鳥たちに興奮したらしいケコは、その文鳥たちのいる上の方に飛び立ち、まっすぐに隣りの部屋へと姿を消した。当然すぐに連れ戻したのだが、この飛翔するごま塩頭が、我が家の文鳥たちには、とてつもなくけったいな物に映ったらしく、パニックとなってしまった。
その後も、ケコが飛ぶたびに他の文鳥たちが逃げ惑い、半日隣カゴで見ているはずの完璧な非手乗りのスミまでが、掃除中の飼い主にぶつかって、暗がりなら何でも良いと手の中に潜り込もうとする始末だ。これでは危険過ぎるので、飼い主が掃除している間、ケコをカゴに帰した。
それにしても、ごま塩頭がこれほどのインパクトを与えるとは想定外であった。しかし、考えてみれば、我が家でこの素敵なごま塩文鳥の姿を見たことがあるのは、換羽で再び引きこもり中のクラしかいないのだから、奇異に感じても不思議は無かったのだ。
掃除が終わって、ケコのカゴの開閉口を開け、出て来い出て来いと誘うが、開閉口から出るという発想が出来ず、放鳥部屋の様子をうらやましげに見ながら、最上段のT字止まり木をウロウロするばかりであった。仕方がないので、再び捕獲して連れ出した。今度は、先ほどのようなパニックにはならず、それでもみなケコを避けて近づかず、結局ケコもスダレの上を自分の居場所と定め、毛づくろいなどをしてリラックスし始めた。かくて、平和が訪れたが、明日はどうなることか・・・。
なお、ケコはカナほど手乗りではなかった。手を出せばいちおう逃げるし、人間の肩にもやって来ようとはしなかった。しかし、怖がる様子はまるでなく、文鳥に対してもそれは同様だった。
おそらく、人間と文鳥の区別が無く、みんなにフレンドリーなのだろう。しかし、あいにく、我が家の文鳥たちには、ごま塩は受けが悪かったという悲劇が・・・。これから、嫌われケコがどのようなアプローチをしていくのか、初めに飼い主推奨のその美しさを認める文鳥は誰なのか、そもそもそういった文鳥が現われるのか、楽しみに観察しようと思う。
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