イキモノとナマモノ(ノコリ2世計画頓挫)

 

水浴びを覗く文鳥
水浴びを観察するニッキ

 朝、ノコリとコウの卵が孵化した気配なし。
 昼、一部の文鳥たちをカゴの外に出し、水を交換しようとして、コウがつぼ巣から出ているのに気づく。嫌な予感がしたので、爪先立ちに背伸びしてカゴの底を見ると、やはりそれが存在した。孵化したてのヒナの亡骸だ。それは二つに割れた卵の殻と並んであり、卵の中にある時と同じ丸まった体勢ですでに冷え切っていた。
 特に外傷はなかった。巣の中にうごめく物体と、客観的にもゴミに過ぎない殻を、丁重に排除してのだろう。片づけがうまいわけだ。

 個人的な哲学になるのか、有精卵を片付けたりする必要に迫られた結果なのか、とにかく、親鳥から引き継ぐまでのヒナは、天然自然の存在として、感情移入しないことにしている。万一親鳥が捨てたり突いてしまっても、それを自然現象として、人間の価値観で考えないためには、その方が都合が良いのだ。
 そもそも論理的にそれ以外に無い。なぜなら、親鳥はヒナを自分のこと理解して虐待するわけではなく、ましてや人間である飼い主が、親鳥のすることの是非を判断するなど、あまりに的外れな話だからだ。
 従って、死んでしまえば、ナマモノ(生物)として扱うことを躊躇しない。しかし、今回は、『文鳥墓苑』の片隅に埋葬した。

 ノコリには、普通に考えれば、子孫を残す機会が来年もさ来年もその先もあるだろう。しかし、コウはどうだろうか。今年までの可能性があると思い、飼い主の方が余計な心配をしてしまうのだが、それはそれで結果論以外の何ものでも無いので、仕方があるまい。少なくとも、文鳥自身のあずかり知らぬ事のはずだ。
 飼い主としては、とりあえず、来週孵化予定の、シュー・ラック、イブ・マキに期待したい。

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