シンもニッキも「営業中」

「営業中」のオス文鳥(シン)
シンに迫られて迷惑顔のマキ

 独身のシンとマキは、それぞれ異性に対して「営業中」で、お互いはすれ違いで無干渉と言えるが、それでも営業エリアが重なるので、わずかばかり意識するようになってきたような・・・気がしないでもないことにしたい。
 既婚者を追いかけずに、適当に片付いて欲しいところだ。

【余談】
 誠文堂新光社のムック本コンパニオンバード12号は、文鳥を特集しているので、今日取寄せて、流し読みしていた。
 ずいぶんと紙数を割いている小物関係の記事以外で特筆すべきは、獣医さんによる『ブンチョウの病気』という特集記事だと思う。執筆された獣医さんは、昔はいろいろな話があったように思うが、文鳥という種の性質を考慮し、バランスのとれたしっかりした内容で、大変参考になりそうだ。余暇にしっかり精読したいところである。
 文鳥の歴史についての島森氏の記事は、まとまった好文章だったが、個人的には特に新しい発見はなかった。日本における文鳥飼育の歴史については、個人的にもずいぶん前に調べもしたが、記事の内容はもはや共通認識となって良いものと思える。問題があるとすれば、「白ブンチョウは致死因子を持っていますので」白文鳥同士のペアリングを禁忌とする点だろう。これはずいぶん昔に一部で言われたことだが、致死遺伝を持つのは、おそらく弥富系の白文鳥だけであり、そもそも致死遺伝子があろうとなかろうと、同一品種間の交配を薦めるべきではなかろうか。私には、ミスリードのように思える。
 文鳥の繁殖についての伊藤氏の記事は、ざっと見た限りでは、以前のご主張(ビギナーズガイド)よりも、昔から一般的なはずの経験則(ようするに昔の飼育書の基本的内容)に近づいた安心できる内容と思われる。私にとって新しいところでは、色の遺伝について3枚のスライドに例えて説明する点で、この方法論に感心した。しかし、コンパクトにまとめると事例が限られてしまい、意が尽くせていないような印象を受けた。
 とりあえず、もう少し落ち着いた時にしっかり読みたいと思う。

 《補足》
 寝る前に『ブンチョウと病気』部分のみ精読したが、やはり少々奇異に感じる点があった。
 この獣医さんの持論を端的に言うなら「アワ玉嫌いで日光浴が好きで、最近うまく行くのはサプリメントのおかげ」となりそうだが、ほとんど思い込みからの結論のような気がする。
 カンジダに関する説明で「アワ玉など加熱されたエサ(カンジダが大好き)で育てられたりしていると、とたんに増殖します」とあるが、そもそも「湯通し」を「加熱」と表現するかが問題になるが、それ以前に発酵しやすい、つまり腐敗しやすいエサが、体調低下で消化が悪くなった際に、そのうに滞留してカンジダを増殖させると考えるのが普通と思われる。滞留時間はパウダーフードよりアワ玉のほうが長くなるが、健康ならば何の問題も起きず、むしろ発酵しやすいというだけの観点に立てば、粒子状のものを練ったパウダーフードの方がよほど「カンジダは大好き」だろう。つまり、病因は、ストレスや低体温など獣医さんも挙げるほかの物にあり、エサの滞留とそれによるカンジダなどの増殖は結果と見なすのが、妙な思い込みを持たない常識的な判断のように思える。もちろん消化が悪くなっている際は、ゆるめのパウダーフードの方が無難だが、それを健康体に対して当てはめてはならないことくらいは理解されよう。
 栄養失調に関して、「アワ玉を使用したい場合は、ムキアワから自作し、(中略)加熱は60℃まで」とするのも、おかしな話だ。生卵の黄身をアワにまぶすアワ玉を自作するのは、まさに雑菌の温床になる恐れが高く、それを獣医師が勧めてしまう感覚がわからない。また、湯通しを加熱と表現するのにはやはり違和感があり、60℃がどういった根拠かはわからないが、アワ粒を熱湯で湯通ししたところで、パウダーフードのようにアルファ化することは無いのが事実と思われる。温度ではなく、加熱の継続時間による相違が問題となることを理解すべきだ。
 (骨折について、「ピンニング手術」をするのが普通になっているとするのは、本当かなと思いつつも(文鳥では寡聞にして聞かなかった)、医療の進歩に感心したが、ギプスをギブスとする、〔pu]を〔bu〕にする誤植は、執筆者の責任とは言えないが、信用性を失わせるので勘弁してもらいたい)
 以前からこの獣医さんによれば、文鳥は甲状腺腫の多い小鳥とされているが、これはその病院以外での事例を踏まえた根拠のあるものであろうか。他の獣医師で、そのような指摘を見ないように思うので、突出した指摘に違和感を覚える。まして、アブラナ科植物のゴイドロゲンによるヨードの吸収阻害など、どれほど意味があるのかしっかり科学的に認識した上で指摘しているのか、理解しがたいところだ(食べ物に含まれる一つの物質の一つの働きだけが判明している程度の段階で、一つの効果が全体に影響するように強調するのは非常に軽率)。
 卵詰まりの説明で、「手術で卵管ごと摘出してしまえば、二度と卵詰まりになることはありません」とするが、卵巣が残っている状態でそれを行った際のリスクについて触れなければ、摘出により産卵が容易に止められるものと誤解される恐れが大きい。その点をどのように考えているのだろうか。
 ビタミンD合成のため「日光浴は一日15分以上行いましょう」とするが、その意味があるのか怪しい日光浴を無理に行おうとした結果、その際にやたらと事故が起きている飼育の現実を理解しているのだろうか。外に出そうとしてカゴを落とした、外に置いたカゴから容器を取り出そうとして、文鳥を外に出してしまうことが、通常の室内放鳥の際の事故並みか、おそらくそれ以上に、迷子の文鳥を作り出す元凶だと、私は認識している。
 以上、前言を撤回し、余り参考にすべきでない、もしくは飼い主自身がよく考えるべき点が多々存在することを指摘しておきたい。執筆された獣医さんは、小鳥の臨床医として優秀で熱心な方だけに、初心者に飼育のご指導をされる際も、飼育面での常識と影響を踏まえて行われるように(持論を押し付けない。持論にあやふやな点があれば、なおさらミスリードしないように心がける)、今後さらに進化されるものと、大きく期待している。


コンパニオンバード(vol.12)

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