自民ザマミロ、民主は悪夢

 一週間前くらいのマスコミの情勢調査どおり、自民党が大惨敗し民主党の大圧勝となったようだ。
 個人的な感想は、タイトルどおりだ。自由民主党は、前回の選挙で大圧勝した後、郵政改革はいちおうやったが、他の改革をおざなりにした。小泉氏の後を継いだ安倍氏は、首相府の権限を強め、官僚の力を掣肘する意欲を持っていたようだが、巨大な敵を相手にするには脇が甘すぎ、「お友だち」は貧弱に過ぎた。何しろ、長崎出身の大臣が「原爆落とされたのはしょーがない」などと言うは、現役閣僚が自殺するは、絆創膏貼って居直るは、分けがわからぬ体たらくで、参議院選挙で惨敗し、身動きとれずにひっくり返ってしまった。
 その後の福田氏は、首相という肩書きが欲しかっただけではないかと疑いたくなるやる気のなさで、ろくに仕事もせずに、とりあえず総選挙が出来るタイミングだけ見計らってやめてしまった。何の改革もする暇もなかった。次の麻生氏にいたっては、解散するために総理総裁になったのにもかかわらず、そのタイミングを伸ばし、そのうち世界的大不況という事態に見舞われ選挙どころではなくなってしまった。そして、郵政民営化に反対だったと主要閣僚だったくせに無責任極まりない発言をするは、霞ヶ関改革に積極的だった渡辺氏を離党させてしまうは、改革する気など欠片もないといった態度を示してしまった。
 郵政改革は改革の一つであり(小泉氏にとっては全て)、4年前の国民にして見れば、分けのわからない天下り団体を作り、全ての行政システムを非能率にするばかりの寄生虫を、何とかして欲しいと願っていたのではあるまいか(少なくとも私はそうだ)。ところが、ものの見事に期待を裏切り、野党の民主党も驚くような改革をするそぶりも見せず、選挙前になってあたふたとして、これをやるあれをやると言われても、今までどうしてしなかったのか!と思われるだけなのである。

 それでも、民主党の政策は無茶苦茶であり(予算を組み替えるとは人員を組み替えることであり、それをいっぺんに進めれば、現場は大混乱し、関連する真っ当な民間業者も破産する)、代表の過去の行動は無責任そのものであり、公共事業バンザイの小政党と、公共事業全部ダメの小政党と連立を組むなどと理解しがたいことを言っているので、とても支持できなかった(あの政党は立党の時から中身よりも数合わせを優先した)。
 政権交代は結構なことで、民主主義はそうあるべきだと信じているが、混乱の悪夢は願い下げなのだ。曲がりなりにも平和で豊かな社会なのだから、急進ではなく漸進でお願いしたいところだ。
 しかし、期日前に投票せずに、今日投票していたら、比例には別の党の名前を書いていた可能性が強い。なぜなら、最近麻生氏(もう氏で良いだろう)が黙って目で訴えるTVコマーシャルを見て、あまりのことに呆然としたからだ。彼としては(彼でいいだろうこの際)、「日本を背負えるのは自民党しかないのだ、わかってくれ!」と言った熱意を視線にこめたのかもしれないが、私の目には負け犬が涙目で哀れを乞うているようにしか見えなかったのだ。彼が考えたわけではないはずだが、それにしても彼がとてつもなく不人気だと言うことが、徹頭徹尾わからなかったようだ。「麻生太郎のツラ~」は見たくないのだ。それなのに、それを大画面で見せ付けられた日には、もうウンザリするだけだと、なぜ気づかないのか!!(前の選挙での民主党岡田氏のCMを思い出した)
 アメリカ大統領と世界のメディアの前でプレスリーの物まねをしてしまえる人気者なら、テレビに出すのもよいだろうが、支持率が壊滅的な人物を前面に立ててどうしようと言うのだろう。約一週間前のマスコミ予測から、自民党が巻き返すことなどまるでなかったのは、あのコマーシャルに一因があるかもしれない。まったく空気が読めない・・・。

 個人的には期待していなかったし、多くの国民同様に高速の無料化には反対だが、せっかく政権交代したので民主党には、「せいぜい頑張って」もらいたい。
 朝令暮改も結果が良ければ柔軟な対応と見なされるかもしれないので、空気を読みつつ、あまり評判が悪そうなら政策なら引っ込め、バランスをとりつつ、それでいて官僚に丸め込まれず・・・、身動き取れなくなったら、自民党の真似をした権力にしがみつかずに、さっさと解散総選挙をすると、傷も浅く、段々2大政党制が固まっていくかもしれない。その点では少し期待している。

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