孵化19日目 (2)

孵化
黙々と食べ静かに眠るノコリ

 飼い主は巣ごもり状態で、日に5度の給餌を楽しんでいる。
 1羽の場合は兄弟姉妹と争って食べる必要がないので、ほとんど黙々と口を開け、少々物足りないが、これはやむを得ないところだ。複数羽いると、先を争って給餌器を飲み込まんまでに食いついてくるものだが、1羽の場合はそういった積極性はないことが多く、食べさせ難い面がある。
 私の場合は、始めから左の手のひらに乗せて給餌する。その方が与えやすいのだ。
 給餌の時間が近づくと、まずハンドソープを使って手を洗い、アワ玉をお湯に浸し、1分程度待って余分な湯を捨て、スペシャルパウダーと青菜ペーストを加えて混ぜ、まだ幼い場合は『育て親』でトントンたたいて少しつぶし、少々熱いくらいの温度(45℃くらい)になったところでヒナを左手に乗せ、給餌をするのだ。

 なお、たびたび指摘することだが、人間の手のひらに乗せると、ヒナの熱を奪うと思っている人がいるが、これはあまりにも妙な説と言える。どうやら鳥の方が体温が高いので、高い方から低い方に熱が移動し続けるとごく素朴に考えるらしいが、どこにいたところで熱は奪われ続けるのが我々温血動物で、熱を発散することはあっても吸収は出来ないことを忘れているように思われる。
 例えば、自分の体温より低い気温であっても汗をかくし、ヒナも人間も熱【遠赤外線といっても良い】を発散しているので、お互いに近づけば温かさを感じなかったら驚く。ようするに、手のひらに潜り込む文鳥にとって、手のひらは30℃程度に安定した床暖以外の何物でもない。
 つまり、真冬などは特にだが、暖房から離した容器の中で与えるよりも、手をすり合わせて表面も温かくして、ヒナを手のひらに乗せてエサを与えた方が、よほど保温になり推奨されるべきだろう。問題は、人間の手のひらの衛生面だ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました