まさかの坂もいろいろ

文鳥の生誕と病気の現場
文鳥の生誕と病気の現場

 朝、まさかと思っていたが、オッキの姿を見て安堵する。とりあえず、たぶん意味がないが鳥用の市販薬の『トモジン=ネオ』を水で溶き、クチバシに垂らすと、実に良く飲む。どうやら水を飲むのも億劫で、つぼ巣でじっとしていたらしい。
 たんに換羽による体力の消耗であったとしても、つぼ巣でじっとしていて動かないと死んでしまうので、移動しやすくエサも食べやすいように、例によってカゴをバリアフリー化した。夫のゲンはそのまま付き添ってもらおう。
 そういった作業をしていたら、別のまさかが発生した。生まれて間の無いヒナの鳴き声が聞こえてきたのだ。「シィッシィッ、し~ずかに、とは面妖な・・・」などと、経験者の飼い主は口ずさまなかった。ああ、またやってしまったな、とすぐに察知したのである。何しろ油断して回収し忘れた卵からの孵化は3例目だ。いい加減慣れている。
 最初は、確かソウ・ガブからゴンたち3羽が孵化し、飛び回るまで育てた上で2羽を友人に譲る(頼まれていたので3羽孵化させた)といった時、1羽孵化してオマケとなった。回収後で産卵した1個に気づかなかった結果だ。
 次はナツとノロの子供のモレ。7代目のカン・ゲンを育てた隙をつかれた形だったが、ナツが老齢で(6歳以上)産卵もまばらになっていたので、卵査察がルーズになっていた結果であった。
 そして今回。おかしいな・・・卵は回収したはずなのに・・・、この夫婦以外は換羽で産卵をやめていたので油断してしまったのだろうか。などと考えつつ、ハルとエコが隣カゴの騒動にうろたえてつぼ巣から飛び出しているのを幸いのぞいて見れば、はっきり姿が確認出来た。擬卵に埋もれるようにして小さなイモ虫。しかし、自己主張は激しいようで、やたら大声で、「お静かに、お静かに」と言っている。生まれて間が無いくせに、状況を正確にとらえているとは、ただ者では有るまい。
 隣カゴのオッキを見るため静粛を保てず、親鳥が驚いて飛び出せばけり落とされるだろうつぼ巣、この不利な状況を乗り越えて成長してくれるだろうか。引き継ぐまでに成長すれば、名前は残りのノコちゃんか、まさかのマサちゃんとなるだろう(エコの子なのでノコが有力)。生命力たくましく育って欲しいところだ。

 夜、オッキは相変わらずで、あまり良い感触は無い。カゴに戻すと、下段のつぼ巣でしばらく静かにしてから、皮付きエサをぼそぼそボリボリ食べ、何とか上段のつぼ巣に行こうと三度ジャンプを試みた果たせず、見かねて手に乗せて上段のつぼ巣へ送ってやった。
 夜中にふらふらと落ちても底はそれなりに弾力があるし(底網の上に逆さまのトレー、その上にプラスチックダンボールが乗せられ、新聞紙が敷いてある)、下段のつぼ巣に入れば良いので、まずは大丈夫だろう。・・・まったくまだ若いのに。
 その隣カゴではヒナが擬卵の上でのさばっていた。親鳥に見捨てられることも無く、順調に育つ一歩を踏み出したようだ。・・・いろいろだなぁ。

孵化したての文鳥のヒナ

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