「臨終の床」から起きる

生活・療養両仕様の文鳥ケージ
上段で食事中のシマ

  確かに絶望は愚か者の結論に相違ない。昨晩手で触っても気づかないまで衰弱していたシマは、いくぶん回復していた。
 朝一番に、埋葬を考えつつ「文鳥団地」を見に行くと、果たしてシマの姿は見当たらなかった。つぼ巣の奥に貼り付くように眠るなり亡くなっていると、角度的に見えないのだ。ああ、やはりそうかと思いつつ、ビニール温室の前面を引き上げて気がつくとつぼ巣の入り口に止まっていたのだった。
 よく見ればクチバシに枝豆のかすがあり、食欲が戻ったと大いに喜んだ。しかし、しばらくしてまた様子を見ると、カゴの底の隅で背眠(背中にクチバシを入れて眠ること。そう呼ぶと『文鳥と私』にあった)している。背眠自体は、健康でも温度が適切でもとる自然な姿勢だが(暑すぎればやらないかもしれない)、病気の時はまた格別にそればかりになるので、容態をみる目安にはなるのだ。
 底網の上で死なれるのは避けたいので、カゴ底を療養仕様に改めた。底上げし、下にもつぼ巣を設置し(つぼ巣は巣掛けにはめてカゴの奥面に固定)、エサ入れは切れ込みが入ったものにしたわけだ。これなら底面でも生活出来る。
 左手にシマを持ちながら改良工事をし、どうぞと戻したら、上段の止まり木に止まってカラツキエサを食べ始めた(エサは普通のカラツキとアワ玉、飲み水には市販薬の『トモジン=ネオ』が混ぜてある)。
 どれくらい頑張るつもりか、それとも復活するつもりなのか、この体制で付き合おうと思う。

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