呼吸異常が現れたシマ
夜の放鳥時、シマが出てこないので様子を見ると、クチバシを少し開けて呼吸していた。これも、見たくない症状だ。サイの症状も嫌な記憶しかないものだが、こちらも良い記憶が1つもない。
一過性のものなら良いのだが、そう信じるには経験がありすぎるようだ。 昨日、事のついでに今市子さんの文鳥マンガ『文鳥様と私』の最新巻(9巻)を読んだ。5巻まで読んで精神的にくたびれたので読むのを止め(と言っても古本だったと言う事実が・・・)、だいぶ気分が薄らいだ頃には(何しろマンガに影響された初心者の質問にうんざりしていたのだ)、件のマンガの出版元が倒産し、古本の相場も高騰して買う気にならなかったのだ。それが今年から出版社を新たにして刊行され、6巻から買おうと思っていたが、刊行が先なので気を変えてアマゾンで他のものを注文するついでに9巻を入手したわけだ。 さて、今さんは基本的に獣医さんに大きく感化され、バタバタと頑張っているようで、やはりそうなったかと思いつつも、その姿勢は少数羽飼育者のもので、ベテランの複数羽飼育者の行動ではないと私には思えてしまう。当然人それぞれなので非難する気は欠片もないのだが、混雑した病院なら、若い鳥で緊急性のない限りはより不安な初心者に譲っても良いと思ってしまうのだ。何しろ、いろいろ経験していれば、それだけ強くなっているはずで、作中にあるように、どういった症状が出れば先が長くないくらいの見当はついてしまうからだ。見当がついているのに、見当などつかない人と一緒の行動をすることもないのではなかろうか。
私は、見当がついてしまえば、あえて敗北主義をとる。今回もそうなってしまうだろう
【蛇足】
『文鳥様と私』の話をしたので、ついでに疑問を呈しておきたい。それは、老齢の文鳥の白内障が点眼薬で治るかのように描かれている点だ。
人間の場合、白内障を治し視力を回復するには手術が不可欠で、点眼薬の効果は病気の悪化を遅らせる程度と考えるのが常識だ。文鳥などの小鳥も、目の構造に大差はなく水晶体が濁ることで白内障になるのも同じじなので、やはり薬で治るとは考えられてはいないはずだ。獣医師の見解を見ても、1990年『小鳥の飼い方と病気』(【獣医師】高橋達志郎著)では「(白内障で目が見えなくなっても生活できるように)管理に気をつけてやるほかありません」と治療方法がないとされ、2006年『わが家の動物・完全マニュアル文鳥』(【獣医師】真田直子監修)でも「症状の進行を点眼などの投薬によって遅くすることができます」とされているのだ。
私は治らない治療法であるにもかかわらず、病鳥と飼い主に多大な負担となる治療などあってはならないと信じている。まして老化現象としての白内障の場合、老いて見えづらくなりただでさえ不安に違いない手乗り文鳥と、その飼い主の信頼関係を崩しかねない点眼などをわざわざ行う、もしくは当然のように飼い主に行わせるのははなはだ奇怪なことだと強く主張したい。
したがって、点眼で治ると思い込み嫌がる文鳥に無理やり点眼している姿を描かれれば、思い込みの激しい飼い主もそういった飼い主を持った文鳥も気の毒だと思い、またより不器用な飼い主が、この点眼によって文鳥の目をつぶしてしまう事故がどの程度の割合で起きているか、統計調査して欲しいと思ってしまう。
ただし、点眼薬つまり目薬と言ってもいろいろで、抗酸化ビタミンなどが入った普通の目薬は気休め程度の効果と考えるのが常識ながら、最近開発された『Nアセチルカルノシン点眼薬』は、白内障を改善する効果があるとされているようだ。ただ、欧米で売られる商品名『Can-C』、わざわざ動物用に限るなら『D-Smile』は、まだ日本では承認されていないのか個人輸入する必要があるようで、日本の獣医さんが一般的に使用する段階ではないように思われる(マンガは数年前の話なので、『Nアセチルカルノシン点眼薬』の可能性は低いかもしれない)。
人間ならさっさと外科手術すれば良いのだが、残念なことに小鳥にはそれが今のところ不可能なので、点眼で効果の上がる薬が出来ればありがたいところだ。ついでに、そういった薬効のあるものが出来た時には、より安易で安全に飼い主が点眼させられる工夫もして欲しいところだ(薬を差すより目を洗う感じの方が確実で良いかと思う)。
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